債券は続伸、黒田氏発言受け緩和強化の観測-先物は史上最高値を更新

債券相場は続伸。黒田東彦次期日銀 総裁候補の国会での所信表明を受けて、金融緩和策強化の観測が広がり 買いが優勢となった。新発5年国債利回りは過去最低を付け、先物は史 上最高値を更新した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、債券相 場について、日銀国債買い入れ輪番オペの結果や黒田氏の発言を受け て、「長い年限を中心に買いが優勢となっている」と説明した。「日銀 主導の金利低下のため、投資家は手じまいにくく、長続きする公算があ る」とも語った。

東京先物市場で中心限月の3月物は8営業日続伸。前週末比10銭高 の145円15銭で始まり、いったん1銭高まで上げ幅を縮めた。黒田氏の 発言を受けて、午後に入って水準を切り上げ、27銭高の145円32銭と、 中心限月で昨年12月7日に記録した高値を上回り、全限月での史上最高 値(145円30銭)も更新した。8日続伸は09年6月以来で最長。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前週末比横ばいの0.645%で開始。その後は徐々に水準を切り下 げ、午後に入ると4.5ベーシスポイント(bp)低い0.60%と、2003年6 月24日以来の低水準を付けた。5年物の108回債利回りは2bp低 い0.095%と過去最低水準を更新した。

超長期債利回りが急低下した。20年物の142回債利回りは8bp低 い1.49%と、新発20年債としては03年8月11日以来の低水準。30年物 の37回債利回りは9bp低い1.675%と、10年8月27日以来の低水準。

黒田氏は4日午前、衆院での所信聴取で、デフレ脱却に向けて「や れることは何でもやる姿勢を明確に打ち出したい」と述べた。また、 「国債のより長期を大量に買っていくのが自然」などと国債買い入れの 年限長期化について言及したほか、日銀券ルールについて「直すとは言 ってないが、検討対象になる」とも話した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、日銀の緩和強化 の観測から債券は売りづらい地合いだと指摘。「追加緩和の具体策が明 らかになるまで短中期ゾーン中心に金利は低水準で推移し、10年債ゾー ンまでの資金流入もしばらく継続するとみている」とも話した。

財務省はあす5日に10年利付国債の価格競争入札を実施する。表面 利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い0.7%か、0.2ポイント 低い0.6%となる見込み。発行額は前回債と同額の2兆4000億円程度。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラ テジストは、「日銀新体制による大胆な国債買い入れ拡大観測が強まり やすい中、今回債は償還が3カ月延伸することもあり、入札は波乱なく 消化されそうだ」と予想している。

--取材協力:赤間信行. Editors: 山中英典, 青木 勝

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