米国債:続伸、強制歳出削減の発動を警戒-週間でも上昇

米国債相場は続伸。10年債利回りは 週間ベースで昨年8月以来の大幅低下となった。強制歳出削減の発動に 対する警戒が強まった。今年度の削減額は850億ドルとなっており、経 済に悪影響を及ぼす恐れがある。

オバマ大統領は議会指導者との会合後、連邦歳出の強制削減によ り、経済全体に悪影響が及ぶと発言した。これより先、ISM製造業景 況指数が2011年6月以来の高水準となったことを手掛かりに国債は伸び 悩む場面もあった。中国の製造業活動鈍化やユーロ圏のインフレ率低 下、イタリア国債の下落を背景に、安全を求めた買いも入った。

野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス 氏(ニューヨーク在勤)は「ワシントンでは政治の麻痺状態が続いてい る」と指摘。「今後の行方が不透明なため、とりあえず国債を買ってお こうという動きが見られる。質問はその後にしようというわけだ」と述 べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.84%。週間では12bp低下と、昨年8月31日以来 の大幅な下げ。10年債価格(表面利率2%、2023年2月償還)は前日 比10/32上昇して101 14/32。

30年債利回りは4bp低下の3.05%。

10年債利回りは2月に月間で11bp低下し、3カ月ぶりの下げとな り、低下幅は昨年7月以来の最大となった。ブルームバーグが金融機関 を対象にまとめた調査によると、同利回りは3月末に1.83%、年末に は2.28%になると予想されている。

経済指標

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業景況指数は54.2 と、前月の53.1から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は52.5だった。同指数で50は製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。

米商務省が発表した1月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2% 増加と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値と一致し た。個人所得は前月比3.6%減少した。

米国債が週間で上昇した背景には、イタリアで選挙後の見通しがは っきりしていないことや、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナン キ議長が当局による債券購入を擁護する姿勢を示したことがある。

民主、共和両党は向こう9年間で総額1兆2000億ドルに上る歳出削 減を回避する方法で対立している。今会計年度(2012年10月-13年9 月)は残り7カ月間で850億ドルが削られる。

「じりじりと上昇する可能性」

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「この問題の解決に関して、どの程度の時間的猶予 があるのか誰にも分からない」と指摘。「こうした懸念を背景に、相場 はじりじりと上昇する可能性がある。利回りがさらに10bp低下する勢 いはまだ残っている」と述べた。

オバマ大統領は歳出削減の代替案で合意に至るために両党議員から 十分な賛成票が得られるには数週間かかる可能性があると話した。

原題:Treasuries Advance for Second Day as Cuts in U.S. Spending Loom(抜粋)

--取材協力:Cordell Eddings、Lukanyo Mnyanda.

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