TOPIX高値に、金融緩和や業績期待-不動産など内需強い

東京株式相場は続伸し、TOPIX は昨年来高値を更新した。日本銀行の次期執行部による大胆な金融緩和 や企業業績回復への期待が高まり、内需関連株中心に高い。不動産や倉 庫・運輸、陸運、食料品、金融といった金利低下、規制緩和の恩恵を受 ける業種の上げが大きかった。

TOPIXの終値は前日比8.67ポイント(0.9%)高の984.33、日 経平均株価は47円2銭(0.4%)高の1万1606円38銭。TOPIX は2010年4月30日以来の高値水準。

プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「こ れまでの株価上昇は売られ過ぎが戻っただけ」だと分析。為替の円安進 行により、「日本は2-3年タームで息を吹き返すとみており、そのグ ロースはまだ株価に織り込まれていない。降りるには早い」との認識を 示した。

衆院は、政府が日銀総裁候補として提示した黒田東彦アジア開発銀 行(ADB)総裁に対する所信聴取と質疑に関し、週明け4日午前9時 半から議院運営委員会で実施する。副総裁候補の岩田規久男学習院大学 教授と中曽宏日銀理事に対しては、5日午前10時半から行う予定だ。

岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、安倍晋三 首相が前日行った施政方針演説で「成長戦略を確認した。日銀人事や環 太平洋経済連携協定(TPP)など来週に向けて内需関連中心に政策期 待が高まっている」と言う。安倍首相は施政方針で、TPPへの交渉参 加は政府の責任で判断する方針を強調。経済政策では、大胆な金融政 策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」を 「力強く射込む」考えをあらためて示した。

長期金利低下、不動産には大口取引期待も

この日は、追加金融緩和期待から長期金利が一時0.64%と、2003年 6月26日以来の低水準を記録した。金利低下メリットや脱デフレ期待か ら不動産株が大きく買われ、含み資産やTPPのテーマ性も追い風とな って倉庫・運輸、陸運株などの上げも目立った。東証1部業種別上昇率 首位となった不動産については、ソニーが保有している東京・品川の 「ソニーシティ大崎」を、日本ビルファンド投資法人などに売却したこ とで、期末に向けた大口取引増加への期待も重なった。

このほか、朝方は安かった外需関連も、午後にかけてマイナス幅を 帳消しにするものが増えた。先週の米国の新規失業保険申請件数は前週 比で2万件以上減少したほか、2月のシカゴ地区の製造業景況指数は前 月から上昇、ほぼ1年ぶりの高水準となるなど、米景気統計の堅調さも 下支え材料だった。

米国の歳出強制削減問題

もっとも、内需関連の押し上げでTOPIXは昨年来高値を更新し たが、日経平均は2月25日に付けた高値1万1662円を抜け切れなかっ た。米上院は前日、民主党の強制歳出削減の代替法案を採決に持ち込む ための動議を賛成51、反対49で否決。採決は賛成には60票が必要だっ た。米政府・議会で懸案事項となっている歳出強制削減が発効されれ ば、850億ドル(約7兆8700億円)が影響を受けるだけに、今晩の米国 株の反応を見極めたいとの姿勢が上値を抑えた格好だ。

野村証券の若生寿一シニアストラテジストは、「米歳出強制削減交 渉は早期に協議がまとまるのは難しそうで、実体経済への影響はマイナ ス」と受け止めている。

東証1部33業種は27業種が上げた半面、石油・石炭製品、鉱業など 6業種が下落。前日のニューヨーク原油先物は0.8%安の1バレル92.05 ドルと、終値では昨年12月31日以来の安値水準だった。アジア時間の時 間外取引でも原油先物は軟調に推移し、市況安による業績への悪影響が 懸念され、石油関連株は終日弱い動きだった。

東証1部の売買高は概算で29億1217万株、売買代金は1兆8284億 円。値上がり銘柄数は990、値下がりは584。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE