債券は続伸、追加緩和期待で長期金利10年ぶり低水準-超長期債に買い

債券相場は続伸。先物中心限月は約 3カ月ぶりの高値を付けたほか、長期金利は約10年ぶりの低水準をつけ た。日本銀行の新体制による追加緩和期待に加え、年金基金などによる 超長期債への買いが入ったとみられている。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、「超長期ゾーン の金利低下が加速したのは売り方の買い戻しが一因。週初から年金基金 などの年限長期化需要が膨らみ、こうした投資家の買いに応じた証券会 社のほか、インデックス(債券指数)対比でアンダーウエートだった向 きの買い戻しが殺到した」と説明した。

現物債市場では、超長期債が大幅に上昇した。午前の取引では相場 全体の金利低下圧力となった。新発20年142回債利回りは一時5ベーシ スポイント(bp)低い1.555%、新発30年37回債利回りは6bp低い1.75% と、それぞれ昨年7月以来の低水準を付けた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、この日の相場に ついて、月末・月初の保有債券の年限長期化の動きから、年金基金など が超長期債に買いを入れており、値が飛んだと指摘。「需給要因に加え て、黒田東彦新日銀総裁に対する期待感も大きくなっており、追加緩和 に伴う一層の金利低下を織り込む形で買いが膨らんでいる。20カ国・地 域(G20)会議以降、円安の勢いが止まったことで売りが止まったこと も背景にある」と述べた。

メリルリンチ日本証券の藤田昇悟チーフ債券ストラテジストは、 「株高の影響で年金基金は株を売って超長期債を中心に債券を買わない といけない金額が大きい。年度末が意識されてリバランスの買いも強い のではないか。銀行も超長期債を買い始めている可能性がある」とみて いた。

長期金利の指標となる新発10年物327回債利回りは、0.5bp低下の

0.66%で始まった後、水準を切り下げ、一時2.5bp低下の0.64%と、 2003年6月26日以来の低水準を付けた。午後にかけては、下げ幅を縮 小し、横ばいの0.665%まで戻したものの、午後3時すぎは0.65%で推 移している。

東京先物市場で中心限月の3月物は7営業日続伸。中心限月の3月 物は前日比1銭高の145円03銭で始まった後、買いが膨らみ、一時は19 銭高の145円21銭と中心限月で昨年12月10日以来の高値を付けた。しか し、午後に入って、徐々に売りが優勢となり、いったん145円を割り込 み、15銭安の144円87銭まで値を下げた。引けにかけては、再び買いが 入り、結局、3銭高の145円05銭で終了した。

来週の10年債や30年債の入札を控えて高値警戒感も強かった。SM BC日興証券の山田氏は、「10年債は5日の入札が視野に入ってきた。 現時点で新発債は0.6%台後半の水準にあり、来週初めに調整して0.7% 付近で入札迎えれば無難にこなすだろう」と分析。岡三証券の鈴木誠債 券シニアストラテジストも、「金融緩和期待が相場を支えているものの 来週の入札を控えて上値が重くなる感じ。10年債入札がクーポン(表面 利率)0.6%になることへの警戒感もあるのではないか」とみていた。

前日の米国債相場は小幅高。朝方は昨年10-12月期米実質国内総生 産(GDP)改定値が上方修正されたものの、予想を下回ったため、堅 調に推移。その後はシカゴ地区の製造業景況指数が予想外に上昇し、新 規失業保険申請件数が減少したため、上昇分を失った。米10年債利回り 前日比2bp低下の1.88%程度だった。

--取材協力:船曳三郎. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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