ヒルズで撮ろう、クールな動画-ユーチューブがスタジオ開設

米グーグルの動画投稿サイトを運営 する「ユーチューブ」はアジアの視聴者を増やそうと、撮影用のスタジ オを六本木ヒルズにオープンした。アジアの事業展開で最も成功してい る日本で、オリジナル映像の制作支援に本腰を入れる。

スタジオは六本木ヒルズの森タワー29階に14日開設した。総床面積 は700平方メートル。「ユーチューブ・スペース・トウキョウ」と名付 けた。撮影や録音に必要なスタジオなど一連の設備のほか、研修や上映 に使えるトレーニングルームなどもそろえた。応募者を審査し、条件を 満たしたクリエーターは無料で利用できる。

コムスコアによると、日本でユーチューブをはじめとするグーグル 傘下のビデオサイトを昨年12月に利用したのは5080万人、前年同月比 で30%伸びた。利用者数はニコニコ動画を展開するドワンゴを43%上回 る。ユーチューブはこれまでロンドンやロサンゼルスでも同様のスタジ オをオープンしているが、アジアは初めてとなる。

モバイル広告事業を展開するアモビーのトレバー・ヒーリー最高経 営責任者(CEO)は、アジアの顧客をつかみたい広告スポンサーにと って現地発の映像は、「ターゲットとする顧客を広げられる可能性があ る」と、その意義を指摘する。

韓国のラップミュージシャン、サイの「カンナム(江南)スタイ ル」の動画はユーチューブでの再生が13億回を超えた。またソウル在住 のカナダ人カップルが投稿した「イート・ユア・キムチ」も50万回以上 再生され、アジア発の動画の潜在的な可能性を浮き彫りにした。

「アイデアが増えた」

六本木ヒルズのスタジオは、「隙間男」という作品がユーチューブ で人気を集めている劇団スカッシュも利用を始めた。

脚本・演出・役者を兼ねる大塚竜也さんは、「機材がプロ用だか ら、絵が違う」と喜ぶ。「パソコンにしろカメラにしろ、スペックが悪 いから、という理由でできないということが無くなった」といい、「こ こから、やりたいな、というアイデアがすごく増えた」と話す。家が壊 れたり、人が空まで飛んでいったりするような映像も「高いクオリティ で作れるという。

ユーチューブのマクドナルド氏は、アジア展開の障害のひとつとし て、脚光を浴びたいと思う人が米国に比べて少ないことを挙げる。「米 国人のように、カメラの前で自然に振舞わせることがちょっとしたチャ レンジ」だという。アジアでは「これまでユーチューブと縁のなかった クリエーターに、ユーチューブを利用するよう少し後押しすることが必 要だった」と話している。

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