2月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドル下落-インフレ鈍化でECBに刺激の余地

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対して下落。イタ リアでの政権樹立をめぐる混乱が影響した。また、域内のインフレ鈍化 で欧州中央銀行(ECB)に刺激策の実施余地が生まれたことも手掛か り。ユーロは対ドルで、月間ベースでは昨年7月以降で初の値下がりと なった。

ユーロはこの日、主要通貨の大半に対して下落。ECBのドラギ総 裁は27日遅くミュンヘンでのイベントで、金融政策を近いうちに引き締 める考えはないことを示唆した。昨年10-12月(第4四半期)の米実質 国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改定値は速報値のマイナス から上方修正され、辛うじてプラス成長となった。南アフリカ・ランド は対ドルで下落。同国の1月の貿易赤字は過去最大となった。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「イタリアで混乱が解 消されていないことを考えると、1.31ドルを上回るユーロの水準は危険 な橋を渡ることのように思われた」とし、「きょうユーロは域内のファ ンダメンタルズを材料に取引されており、よって不安定な状況になって いる」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時11分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.6%安の1ユーロ=1.3057ドル。月間では3.8%下げた。対円ではこ の日0.3%下げて120円85銭。月間では3%下落。ドルはこの日対円 で0.4%上昇し、1ドル=92円56銭。

ランドが安い

ブルームバーグのデータによれば2月の月間ベースでは、ドルに対 しブラジル・レアルが0.7%上昇し、主要16通貨中で最大の上げとなっ た。韓国ウォンは0.5%上昇。一方で英ポンドは4.4%安、ノルウェー・ クローネは4.8%下げた。

南アフリカ歳入庁が発表した同国の1月の貿易赤字は245億ランド に達した。昨年12月は27億ランドだった。ブルームバーグがまとめたエ コノミスト予想の中央値は97億ランド。

ランドは2.4%安の1ドル=9.0246ランド。

イタリアのポリヨ財務次官は27日、民主党のベルサニ党首を中心と する中道左派と、ベルルスコーニ前首相率いる中道右派陣営による連立 政権が「唯一可能な道だ」と発言。2011年11月に首相を降板したベルル スコーニ氏は緊縮策の見直しを選挙公約としていた。

欧州めぐる懸念

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が28日発表した1月の ユーロ圏消費者物価指数(改定値)は前年同月比2%上昇。前月 は2.2%上昇だった。EUの行政執行機関である欧州委員会は22日、ユ ーロ圏では今年、7カ国でマイナス成長になるとの予想を示した。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「欧州では現在、不透明感が強 い。イタリアの政治的な行き詰まりやユーロ圏の成長への懸念が広がっ ている」とし、「こうした懸念がユーロの上昇を抑えているのは確実 だ。今年初めとは逆の状況になっている」と続けた。

ブルームバーグのエコノミスト調査では、ECBは来週の政策決定 会合で政策金利を0.75%で据え置くと見込まれている。

米商務省が28日発表した第4四半期の実質GDP改定値は前期 比0.1%増。速報値は0.1%減だった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.5%高の81.987と、昨年8月22日以来の高水準を付けた。

原題:Euro Declines as Cooling Inflation Gives ECB Scope for Easing(抜粋)

◎米国株:引け直前に反落、歳出削減代替案の採決動議を上院が否決

28日の米株式相場は引け際に上げを消した。株価指数銘柄の入れ替 えに備えた取引となったほか、米民主・共和党がそれぞれ出した強制歳 出削減の代替法案を採決に持ち込むための動議が、上院で否決されたこ とが影響した。

百貨店JCペニーは17%安。約20年ぶりの低い通期売上高が嫌気さ れた。シアーズ・ホールディングスも安い。2012年11-13年1月(第4 四半期)決算で予想以上の赤字を計上したことが売り材料となった。

S&P500種株価指数は0.1%安の1514.68。一時は0.6%高に上昇し ていた。ダウ工業株30種平均は20.88ドル(0.2%)安の14054.49ドル。

PNCウェルス・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ウィリ アム・ストーン氏は「差し迫った歳出削減が甚大な影響を及ぼすとは考 えていないが、不透明要素に対する一定の不安感やそれに連れてボラテ ィリティーが上昇するとの見方は常にある」と述べた。

MSCIは引け後にグローバル株価指数および米国株価指数に採用 する銘柄を入れ替えた。

国際通貨基金(IMF)のウィリアム・マレー報道官は、「現在、 米国での歳出強制削減は鍵となる問題の一つだ」とし、「つまり、 IMFが米国の成長予想や他の予想を見直す必要があることを意味す る」と述べた。

米国のGDP

昨年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値 は速報値のマイナスから上方修正され、辛うじてプラス成長となった。 貿易赤字がほぼ3年ぶりの低水準に縮小したことが寄与した。一方、国 防支出はベトナム戦争時代以来の大幅な落ち込みとなった。また先週の 新規失業保険申請件数は前週比で減少し、市場予想も下回った。

S&P500種は過去最高値まで約3%に迫っており、年初から は6.2%上昇している。2月は月間ベースで1.1%高、4カ月連続で上昇 した。

JCペニーが大幅下落

JCペニーは17%安。2013年1月通期の売上高は過去20年余りで最 悪だった。11年11月に起用されたロン・ジョンソン最高経営責任者 (CEO)が掲げる事業好転計画は厳しい状況に直面している。

同社11月-1月(第4四半期)決算では純損失が5億5200万ドル と、前年同期の8700万ドルから大幅に拡大した。通期売上高は25%減の 約130億ドルと、少なくとも1987年以降で最低だった。

シアーズは5.2%安。11-1月の赤字は4億8900万ドル(1株当た り4.61ドル)と、前年同期の24億ドル(同22.63ドル)の赤字からは縮 小したが、同社は2億8000万-3億8000万ドルの赤字を予想していた。 売上高は1.8%減の123億ドル。ブルームバーグがまとめたアナリスト2 人の予想は上回った。

ランジェリー店チェーン「ビクトリアズ・シークレット」を展開す るリミテッド・ブランズは上昇。11-1月(第4四半期)決算は14%の 増益だった。

原題:U.S. Stocks Fall as Senate Rejects Plans Replacing Sequester(抜粋)

◎米国債:10年債は月間で上昇、11月以来で初めて-緩和継続観測で

米国債市場では10年債相場が昨年11月以来で初めて月間で上昇。欧 州情勢の混乱に加え、米金融当局が景気支援に向けて政府債購入を継続 する意向をあらためて示したことが買いの背景にある。

10年債利回りは月間で昨年7月以来の大幅低下。3月1日に発動す る850億ドル規模の歳出強制削減が景気回復の腰折れにつながり、金融 緩和が継続するとの見方が強まった。この日の国債相場は上昇した。昨 年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値が上方 修正されたものの、予想を下回ったことが買い材料。米財務省による と、海外の米証券保有者として日本が昨年、再び中国を抜いて首位とな った。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は今週の議会 証言で、時期尚早な利上げは景気回復を止めてしまうとの認識を示し た。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「今週のバーナンキ議長の証言で、金利はし ばらく低位にとどまるとの見方が強まった。議長はあらゆる権限を行使 して金利を低く抑制しようとしている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.88%。50日移動平均である1.89%を下回った。26 日には1月24日以来の低水準となる1.84%まで低下した。10年債価格 (表面利率2%、2023年2月償還)はこの日、7/32上昇して101 1/8。

10年債利回りは2月全体では11bp低下。

FF金利

政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は2008年 以来、ゼロから0.25%のレンジで据え置かれている。

保有国債のデュレーション(平均残存期間)をベンチマーク(基 準)に合わせようとする月末特有の買いも、相場を下支えた。

10年債利回りは週間では9bp低下と、2週連続の下げ。24-25日 のイタリア議会選挙でいずれの政党連合も安定多数を確保できない結果 となったため、次期政権の安定性に懐疑的な見方が広がり、財政緊縮路 線が弱まるとの認識が強まった。

2年債と10年債の利回り差は1.64ポイントに縮小した。今年に入っ てからの最大は2月19日に付けた1.76ポイント。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の2月のリターンは前日までで0.5%。年初からではマイナ ス0.4%。ドイツ国債の2月のリターンはプラス1.3%。

ニューヨーク連銀はこの日、2036年2月-2042年8月に償還を迎え る国債を14億5000万ドル購入した。

強制削減

歳出強制削減は議会が合意しない限り、3月1日に発動される。議 会予算局によると、その場合はGDPを0.6ポイント押し上げ、13年末 までに75万人の雇用に影響する恐れがある。

商務省が発表した第4四半期の実質GDP改定値は前期比0.1% 増。速報値は0.1%減だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミストの予想中央値は0.5%増だった。

MNIシカゴ・リポートの2月の製造業景況指数(季節調整済み) は56.8と、前月の55.6から上昇した。これは昨年3月以来の高水準。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は54だっ た。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

労働省によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比2万2000件減の34万4000件。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は36万件だった。

原題:Treasuries Advance for First Month Since November on Fed Outlook(抜粋)

◎NY金:続落、景気楽観で売り-月間では16年ぶりの5カ月連続安

ニューヨーク金先物相場は続落。景気に対する楽観を背景に、金に 逃避する動きが後退した。月間では過去16年間で最長の連続安となっ た。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数は前週比で減少し た。ドイツの2月の失業者数は予想に反して減少。日本の1月の鉱工業 生産指数は前月比で2カ月連続して上昇した。金は今年に入って5.8% 下落。昨年までは12年連続で上昇し、価格は6倍に跳ね上がった。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話取材に対し、「世界的に経 済状況に改善の兆しが表れているとの事実に誰もが気づき始めているた め、金はもはや選好される資産ではなくなっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1.1%安の1オンス=1578.10ドルで終了。月間では5%下 げ、1997年1月以来最長となる5カ月連続の下落となった。

原題:Gold Drops, Extends Longest Run of Monthly Declines in 16 Years(抜粋)

◎NY原油:反落、年初来安値-米GDP改定値が予想下回る

ニューヨーク原油先物相場は反落。年初来の安値で終了した。昨 年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP、改定値) の伸び率が市場予想を下回ったことや、ユーロが対ドルで下落したこ とが響いた。

米商務省が発表した第4四半期の実質GDP改定値は前期比0.1% 増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 は0.5%増だった。ユーロは対ドルで昨年7月以来初の月間ベースで下 落。代替投資としての原油の妙味は後退した。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「経済が絶好調でないことは周知の事実だ。原油需 要に影響を及ぼすだろう」と指摘。「ドルがかなり堅調で、それも原油 の重しになっている。きょうは月末で、ポジション調整に伴う利益確定 の動きが活発だ。リスク回避の一日があっても驚きではない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比71セント(0.77%)安の1バレル=92.05ドルで終了。終値では昨 年12月31日以来の安値となった。月間では5.6%値下がりし、昨年10月 以来初の下落となった。

原題:Oil Falls to 2013 Low as U.S. Economy Grows Less Than Expected(抜粋)

◎欧州株:上昇、月間は9カ月連続高-バイエルに買い

28日の欧州株式相場は上昇し、ストックス欧州600指数は月間ベー スで9カ月連続プラスとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバ ーナンキ議長と欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がともに、金融政 策を通じ景気を支える姿勢を維持すると示唆したことが好感された。

ドイツの医薬品会社バイエルが約1カ月ぶりの高値。今年の売上高 が4-5%伸びる見通しを示した。スペイン最大の電話会社テレフォニ カは四半期利益が市場予想を上回り、株価は2%上昇。通期赤字幅が予 想以上だった英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS) は2カ月ぶり安値を付けた。

ストックス欧州600指数は前日比1%高の289.94で終了。今月全体 では1%上げ、月間ベースで1997年以来最長の連続高。年初来で は3.7%上昇。

ディエム・クライエント・パートナー(チューリヒ)のポートフォ リオマネジャー、ダニエル・グシュウェント氏は「力強いプラスの企業 業績と中銀が緩和姿勢を続けるとの示唆のおかげで、株式相場の上昇傾 向は強まった。この流れは続くかもしれない」と指摘。ただし、「ここ まで長い連続高となると、かなりの調整が近いうちに必要となるだろ う」と付け加えた。

ドラギECB総裁は27日、ユーロ圏のインフレ率が来年に2%を大 幅に下回りそうな中で金融刺激の解除検討には「程遠い」と言明。バー ナンキFRB議長も同日、金融緩和が借り入れコスト低下と成長促進に 役立ったとの認識を示した。

この日の西欧市場では、ポルトガルを除く17カ国で主要株価指数が 上昇した。

原題:European Stocks Advance for Ninth Month; Bayer, Telefonica Rise(抜粋)

◎欧州債:伊債上昇、大連立に期待-スペインとポルトガルも高い

28日の欧州債市場では、イタリア国債が続伸。同国の総選挙では安 定多数勢力が生まれなかったものの、主義主張の違いを乗り越えた大連 立政権が発足するとの観測が相場を支えた。

イタリアのポリヨ財務次官は27日、民主党のベルサニ党首を中心と する中道左派と、ベルルスコーニ前首相率いる中道右派陣営による連立 政権が「唯一可能な道だ」と発言。これをきっかけに、スペインとポル トガルの国債も値上がりした。2011年11月に首相を降板したベルルスコ ーニ氏は緊縮策の見直しを選挙公約としていた。オランダ債は一時、下 げた。同国が今年と来年の財政赤字について、欧州連合(EU)協定の 上限を上回るとの見通しを示したことが嫌気された。ドイツ2年債は値 上がり。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)の債券トレーダー、マルティン・ ムンクスガルト氏は「イタリアで連立政権が生まれるという観測があ り、市場はそれを明るいニュースと受けとめている」と指摘。「完璧で はないかもしれないが、別のシナリオよりずっとましだ。市場が心配し ていたほど、ベルルスコーニ氏は大きな脅威ではないかもしれないし、 欧州の首脳らはイタリアに改革への圧力をかけ続けるだろう」と話し た。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比8ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.73%。前日は昨年11 月15日以来の高水準である4.96%に上昇した。同国債(表面利 率5.5%、2022年11月償還)の価格は0.605上げ106.31。

スペイン10年債利回りは14bp低下の5.10%。ポルトガル債は16b p下げ6.32%。

オランダ国債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は 一時、昨年10月30日以来最大の29bpとなった。10年債利回りは2bp 上昇後、前日比ほぼ変わらずの1.74%。同国政府の発表によると、2013 年の財政赤字は国内総生産(GDP)の3.3%、14年は同3.4%の見込 み。EUの上限は3%。

ドイツ2年債利回りは3bp低下の0.04%。

英10年債利回りは1.97%。前日は1月2日以来の低水準であ る1.93%に下げた。同国債(表面利率1.5%、2022年9月償還)価格は この日、98.10。

原題:Italian Bonds Gain Amid Coalition Talks; Spanish Securities Rise(抜粋) 原題:Pound Pares Monthly Drop Versus Euro on Dutch Deficit (抜粋)