ボーナス規制裏目に、給与は確実に増加-EU案にロンドン反発

バンカーたちに世界で最も厳しいボ ーナス規制を課す欧州の計画は、ロンドンで強い反発を招いた。そのよ うな規制はむしろ固定給を上昇させ、裏目に出る可能性があると金融業 界が警告した。

欧州議員らと政府当局者らは28日にブリュッセルで、バンカーの固 定給の2倍を超えるボーナスを禁止する案で合意した。欧州連合 (EU)加盟各国が批准し議会が本会議で可決すれば、規制は来年1月 1日から施行される。これはEU27カ国内の銀行に打撃を与えると、報 酬コンサルタントや英政府が論じた。

プライスウォーターハウスクーパース(ロンドン)の報酬担当パー トナー、ジョン・テリー氏は「給与が大幅に上昇することは確実で、銀 行は必要な時にボーナスを減らしたり取り戻したりする柔軟性を失うだ ろう」として、「EU外の従業員を対象外とする条項がないのはEUの 大手銀行にとって打撃だ。ニューヨークや香港で不公平な競争を強いら れることになる」と説明した。

コンサルティング会社、Z/Yenグループによれば、ロンドンの 金融街シティーは世界で無類の金融センターだ。ドイツ銀行やUBS、 クレディ・スイス・グループが集まる欧州証券事業の中心でもある。

欧州の投資銀行活動のほぼ半分はロンドンを経由して行われ、銀行 業界ロビー団体のザ・シティーUKによれば、英国の2011-12年の税収 の約12%は同国の金融機関が生み出した。

キャメロン英首相のグレー報道官が28日ロンドンで記者団に対し、 「競争力への影響検討が望まれる」と述べた。ボーナスの減額は基本給 与の増額を意味するが、基本給は繰り延べ支払いやクローバック(後日 の返還)の対象ではないと指摘した。

ロンドンの幹部人材あっせん会社パーセルのジョン・パーセル最高 経営責任者(CEO)も「政治的な動機に基づき、近隣窮乏化につなが る恥ずべき法案だ。嫉妬と大衆迎合からひねり出されたものだ」と批 判。「この見当違いの措置は固定費を高めることで、欧州の銀行を経済 の逆風に対してより脆弱(ぜいじゃく)にする」と論じた。

原題:Salary Surge Seen in Europe’s Plan to Restrain Banker Bonuses(抜粋)

--取材協力:Liam Vaughan、Robert Hutton、Howard Mustoe.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE