バーナンキFRB議長:出口戦略の再検討で資産売却見送りも

米連邦準備制度理事会(FRB)の バーナンキ議長は、過去最大規模の金融緩和策からの出口戦略を検討す る際、FRBのバランスシート上の債券を償還まで持ち続けることを決 定する可能性があるとの認識を明らかにした。FRBのバランスシート は総額3兆1000億ドル(約286兆円)に膨らんでいる。

バーナンキ議長は27日のワシントンでの議会証言で、2011年6月に 当局者が概要を示した出口戦略を「近いうちに」再検討する見通しだと 説明した。

同戦略によると、FRBは保有証券の元本返済分の一部ないし全て の再投資を停止して金利見通しを見直す。さらにフェデラルファンド (FF)金利誘導目標を引き上げた上で、住宅ローン関連証券の売却に 着手し3-5年でFRBのポートフォリオから取り除く段取り。

議長は下院金融サービス委員会での質疑応答で、「1つ異なる方法 を取る可能性があるとすれば、一部証券の保有期間を若干延ばすこと だ」とし、「償還まで持ち続けることもあり得る」と述べた。

出口戦略における資産売却の先送りや見送りを支持する見解をここ 1週間に示したFRB当局者はバーナンキ議長で3人目。サンフランシ スコ連銀のウィリアムズ総裁は21日のニューヨークでの講演後に記者団 に対し、FRBのバランスシートの拡大を考慮すると、資産売却のため の期間は「長期化した公算が大きい」と指摘。FRBが資産の保有を延 長する方針だと市場に伝えれば、金融刺激効果を強めるとともに「経済 に有益だ」と述べた。

保有期間

バーナンキ議長もこの日の証言で、「1つの問題は証券をどれだけ 長く保有し、資産購入の代替策として使えるかどうかだ」と述べ、「そ の点は議論する価値がある」と語った。

FRBは景気てこ入れと失業率の押し下げを図るため、米国債と住 宅ローン担保証券(MBS)を合計で毎月850億ドル購入している。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リン ジェン氏は、FRBが売却を控えた場合「一番の恩恵は金融システムに ひずみが生じず、そうした市場で価格の不安定さが増す危険が伴わない ことだ」と指摘。「こうしたリスクは常々、FRBの懸念要因となって いた」と付け加えた。

議長はさらに、政策当局が合意した出口戦略の「大筋」は「引き続 き有効」だと「強く確信している」と述べ、FRBが証券を売却しない 場合でも「われわれが何年も大きなバランスシートを抱えていくという ことを意味するわけではない」と指摘。「通常により近い水準に戻すに はあと1年だけでいいかもしれない」と述べた。

住宅市場が回復

FRBのバランスシートは2月20日時点で過去最大の3兆1000億ド ルに膨らんでおり、そのうち米国債は1兆7400億ドル、MBSは1 兆300億ドル、政府機関債は746億ドル。金融危機前の2007年にはバラン スシート上の資産総額は9000億ドル未満だった。

議長は27日の証言でまた、一部の金利がここ最近上昇していること について、経済が力強さを増しつつあることを示唆している可能性があ ると述べ、緩和策が住宅および自動車の需要改善を後押ししており、住 宅市場は回復しつつあるとの認識も示した。

議長は「金利が若干上昇しているという事実は、経済が力強さを増 していることを示すものだ」と説明。「住宅市場や自動車などの耐久財 の需要が勢いを増しつつあり」投資や商業用不動産でも状況はある程度 好転してきていると付け加えた。

一部の金利はここ数カ月に上昇。フレディマック(連邦住宅貸付抵 当公社)によれば、30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は21日終 了週に3.56%に上昇。昨年11月22日終了週には3.31%だった。

原題:Bernanke Says Fed May Avoid Selling Assets in Exit Review (1)(抜粋)

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