米国債:10年債続落、FRB議長証言で逃避需要が後退

米国債市場では10年債相場が続落。 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長による2日目の議会証 言で、金融緩和が経済成長を促進するとの期待が強まり、安全資産とし ての魅力が薄れた。

10年債はこのままいけば、月間で昨年11月以来の上昇となる。バー ナンキ議長は金融当局による国債買いが資産バブルやインフレを引き起 こすことはないとの認識を示した。保有国債のデュレーション(平均残 存期間)をベンチマーク(基準)に合わせようとする月末特有の買い も、相場を下支えた。総額1兆2000億ドルの歳出強制削減の発動を3月 1日に控えていることも支援材料。財務省は規模290億ドルの7年債入 札を実施、今週の総額990億ドルの入札を完了した。

RBSセキュリティーズ(コネティカット州スタンフォード)の米 国債戦略責任者、ウィリアム・オドネル氏は「週初に大きく上昇したた めにここで上げは一服し、代わりに株価が上昇した」と指摘。「最近、 相場を動かしているのはFRB議長のハト派姿勢だ。株式、国債の両方 が好感している」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.90%。同年債(表面利率2%、2023年2月償還) 価格は6/32下落の100 7/8。利回りは一時4bp低下する場面もあっ た。前日には1.84%と、1月24日以来の低水準を付けた。月初からは9 bp低下。

S&P500種株価指数は1.3%上昇した。

「当面の均衡水準」

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「米国債を支え ている資産購入に対し、このところペースが減速する可能性への懸念が 高まっていたが、バーナンキ議長の発言がそうした期待あるいは不安を 鎮めた」と指摘。「今週動きが荒かった金利は当面の均衡水準にある」 と述べた。

米金融当局は毎月850億ドル相当の国債および住宅ローン担保証券 (MBS)を購入しており、金利に低下圧力を掛けている。ニューヨー ク連銀はこの日、2017年2-11月償還の国債を50億ドル相当購入した。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は26日に3990億ドル。1日以来の高水準となった25日 の4016億ドルからわずかに減少した。今年の平均は2940億ドル、2012年 は2400億ドルだった。

先物の出来高

CMEグループの27日発表によると、米国債先物の出来高は26日 に1010万枚と過去最高を記録した。それまでの最高は2012年5月29日に 記録した890万枚だった。

CMEの金融製品・サービス部門のシニア・マネジングディレクタ ー、デレク・サマン氏は商いを伴って値動きが荒くなっていることにつ いて、「米国債に対する質への逃避の継続と、今週の良好な経済ニュー ス」が原因だと指摘した。

財務省が実施した7年債入札(発行額290億ドル)の結果による と、最高落札利回りは1.260%と、入札直前の市場予想の1.262%を下回 った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.65倍と、前回の2.60倍を 上回った。過去10回の平均は2.70倍。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) は「7年債は割高な水準にあるものの、月末のデュレーション延長を前 に需要があり、利回りは低下した」と述べた。さらに「株式相場が本来 あるべき水準から引き続きかけ離れているため、国債相場は現在の水準 近くにとどまるだろう」と述べた。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合 は33.4%。過去10回の平均は39.8%だった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者による落札比率は18.2%。過去10回の平均である16.2%を上回っ た。

原題:Treasuries Fall as Bernanke Stimulus Defense Damps Refuge Demand(抜粋)