日本株は続落、イタリア政局やユーロ安懸念-輸出、金融中心

東京株式相場は続落。イタリアの政 局不透明感や為替のユーロ安・円高傾向が懸念され、輸送用機器や電機 など輸出関連株、銀行や証券、保険など金融株中心に売られた。海外原 油先物の下落を嫌気し、鉱業株も安い。

TOPIXの終値は前日比13.05ポイント(1.3%)安の953.72、日 経平均株価は144円84銭(1.3%)安の1万1253円97銭。両指数ともきょ うの安値で引けた。

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、「ユー ロは、過度な安値が修正される中での戻りが急過ぎた。リスクマネーが どう動くかはユーロの動きで説明がつく」と指摘。日本株の動きは、 「基本的に為替連動。為替がこうなると、若干リスク回避的な動きにな る」と話していた。

24、25両日に投票が行われたイタリアの総選挙は絶対多数勢力を生 み出さず、政党指導者らは連立政権を樹立し、再選挙を回避しようと動 き始めた。ただ、新議会が招集される3月15日までは公式の進展はな く、政治空白は避けられない状況となっている。米系格付け会社のムー ディーズは、選挙結果でイタリア政治の不確実性が長期化する恐れがあ り、信用力にマイナスとの見解をウェブサイトで示した。

イタリア政局の先行き不透明感から、この日の東京外国為替市場で ユーロは、対ドルで一時1.3042と前日に付けた約7週ぶりの安値1.3018 近辺での動きとなった。こうした中、円は1ユーロ=119円52銭、1ド ル=91円63銭まで買われ、きのうの東京株式市場の終値時点120円19 銭、92円3銭に比べ強含んだ。

伊政治空白を懸念、25日線意識

「この3カ月間、日本株を楽観的に見ていたが、イタリア問題と為 替の円高でいったん様子見が必要だ」と、住友信託銀行の瀬良礼子マー ケット・ストラテジストは言う。イタリアではきょう、5年債や10年債 の入札、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の講演も控えているとあ って、下値を拾う動きも限定的だった。

海外主要国の株価指数は、投資家の短期的な採算コストを示す25日 移動平均線を次々と割り込んでいる。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部 長は、「ユーロの戻りが鈍い。イタリアの政治空白が長引けばイタリア 国債が売られ、スペインなどにも波及する可能性がある」と指摘、日本 株も「25日線で下げ止まるかどうかを試す動きになる」と予想した。き ょう終了時の日経平均の25日線は1万1192円、TOPIXは947.83。

もっとも、相場のトレンドに変化が出たと見る市場関係者は少数 派。昨年11月16日以降の日本株の上昇過程では25日線や75日線、200日 線にタッチしない形で上昇してきた。「日々線とタッチしないことは、 相場の強さを表す。成長戦略や4月の日本銀行の金融政策決定会合を控 え、ぶれていないアベノミクスに対する期待感は根強い」と、SMBC 日興証券株式調査部の西広市部長は言う。

金融セクターが下落率上位

東証1部33業種は、28業種が下落。下落率上位は保険、鉱業、銀 行、輸送用機器、鉄鋼、その他金融、証券・商品先物取引、情報・通 信、電機など。下落が目立った保険について、みずほ証の倉持氏は「金 利上昇や株高でこれまで買われてきたことから、その反動が出ている」 との見方を示した。

鉱業や商社など資源関連は、前日のニューヨーク原油先物相場 が0.5%安の1バレル=92.63ドルと続落し、終値で昨年12月31日以来の 安値に沈んだことも嫌気された。米国の在庫増加見通しや欧州債務危機 再燃への不安が原油安の背景。

このほか売買代金上位ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャ ル・グループ、川崎汽船、経営方針説明会の結果はネガティブと一部ア ナリストが指摘したキヤノンが安い。

建設やJPXは上昇

半面、パルプ・紙、建設など5業種は上昇。建設株については、緊 急経済対策を盛り込んだ2012年度補正予算が26日、参院本会議で可決、 成立したことが好感された。個別では、TOPIX算入を見込む買いも 追い風となった日本取引所グループ(JPX)、14年3月期営業利益の 過去最高予想を理由に、メリルリンチ日本証券が目標株価を上げたクボ タが高い。

東証1部の売買高は概算で31億1953万株、売買代金は同1兆8487億 円。値上がり銘柄数は501、値下がりは1092。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

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