債券は上昇、長期金利10年ぶり低水準・先物145円台、緩和観測

債券相場は上昇。日本銀行が新たな 正・副総裁の下で追加緩和を実施するとの観測や国内株価の下落が買い 材料となった。長期金利は約10年ぶり低水準を付け、先物は約2カ月半 ぶりに145円台に乗せる場面があった。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比3銭高の144円87銭で開 始した。午前9時以降に水準を切り上げ、午後の開始後には145円00銭 まで上昇し、中心限月として昨年12月10日以来の高値を付けた。その後 は高値もみ合いとなり、結局は15銭高の144円99銭で引けた。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは「超長期債の買いが相場全体を引っ張る形で金利が低下し た」と説明。日銀の次期総裁人事やイタリアの政局不安が「投資家の背 中を押した面もあるが、月末ないし年度内に買わざるを得ない需要があ る」と続けた。イタリア懸念は「持久戦になる」とし、目先は「米国の 財政の崖の方が要警戒だ」と指摘。「1日に歳出の強制削減が発動され ればリスクオフになる」と予想した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.675%で始まり、10時すぎ に0.67%に低下。2003年6月27日以来の低水準を記録した。その後は同 水準で推移。5年物の108回債利回りは0.115%と、前日に付けた過去最 低で取引された。

超長期債利回りは午後に一段低下。20年物の142回債利回りは横ば いの1.675%で開始した後、徐々に低下。午後の開始後には1.655%と昨 年12月12日以来の低水準を付けた。30年物の37回債利回りは1.5bp低 い1.85%で始まり、午後に入ると2bp低い1.845%と昨年8月23日以来 の水準まで下げた。3時すぎからは再び1.85%で推移した。

イタリア不安や株安

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、日銀による国 債買い入れの年限延長の議論や正・副総裁人事を受け、追加緩和期待が 高まらざるを得ない状況で、長期金利のレンジが変わるのも自然な流れ だと指摘。「イタリア不安もあり年初からのグローバルな楽観論に変化 が生じ、株は上値を追いづらくなっており、債券にはポジティブに働い ている」とも話した。

安倍晋三首相は次期総裁に元財務官の黒田東彦アジア開発銀行 (ADB)総裁を起用するなどの正・副総裁人事案を28日にも衆参両院 の議院運営委員会理事会に提示する。与党幹部が26日、匿名を条件に明 らかにした。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、 イタリア総選挙の結果を受け、同国の信用力上ネガティブ(弱含み)だ とする見解を発表した。

円相場は対ドルで91円台後半、ユーロに対しては120円前後。日経 平均株価は前日比144円84銭(1.3%)安の1万1253円97銭。

--取材協力:船曳三郎. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE