バーナンキFRB議長:資産購入は効果がリスク上回る

米連邦準備制度理事会(FRB)の バーナンキ議長は、当局による前例のない資産購入を擁護する姿勢を示 した。資産購入は景気拡大を支援している一方で、インフレや資産価格 バブルを引き起こすリスクはほとんどないと説明した。

議長は26日、上院銀行委員会での議会証言で「一部金融市場におけ るリスクテークの強まりで発生し得るコストが、力強い景気回復の推進 によるプラス面を上回るとはみていない」と指摘。「インフレは現在の ところ落ち着いており、インフレ期待もしっかり抑制されているよう だ」と述べた。

3月1日に発効する連邦政府の自動歳出削減については、議会が回 避できなかった場合、経済に「著しい」負担になると言明。議会に対し て、予算を「持続可能な長期の軌道」に乗せるよう求めた。

バーナンキ議長は、これまでの連邦公開市場委員会(FOMC)の 声明内容を繰り返す形で、雇用市場の見通しが現在の水準から「大幅に 改善」しない限り、資産購入を継続すると述べた。また雇用市場は「全 般的に脆弱(ぜいじゃく)」と表現した。

議長は議会予算局(CBO)の概算値を引用し、自動歳出削減が発 効した場合、今年の成長率を0.6ポイント押し下げる要因になると指 摘。「経済の潜在成長ペースがなお緩やかなことを考えると、景気回復 へのこの短期的な追加負担は非常に大きいものがある」とし、「景気回 復ペースが鈍化すれば、雇用や所得に悪影響が及ぶほか、短期的に見て 実際の財政赤字削減額が減ることになる」と加えた。

金融政策

金融政策については、「景気回復を強く支援している」とし、当局 による資産購入や事実上のゼロ金利政策を擁護した。

議長は「とりわけ、中長期の金利を低く抑えていることで、住宅市 場の回復が後押しされ、自動車など耐久財の販売や生産が増加してい る」と指摘した。

その上で、FOMCは現行政策に関して、雇用創出におけるプラス 効果と、政策をいずれ正常化させる取り組みを複雑化させたり、資産バ ブルで金融不安を引き起こしたり、また当局がオペレーションで資金を 失うというようなリスクを比較検討していると説明した。

議長は金融当局者が「非常に真剣」に捉えている、政策で「生じ得 るコスト」は、「非常に低水準の金利をかなりの期間続けた場合、金融 安定を損なう恐れがある」ということだと指摘。

その上で、「緩和的な金融政策がある種のリスクテークを高める可 能性はあるが、現在の環境下では、幾つかの点でシステムのリスクを低 下させる役割を果たしている。中でも最も重要なのは、経済全般の強化 によるものだ」と述べた。

通貨戦争

証言後の質疑応答では、米金融当局が資産購入を通じて「通貨戦 争」に関わっていることはないと言明。米国の金融政策は「世界的に需 要を増やし、米国の企業だけでなく、米国に輸出する他国の企業も支援 している」とし、「これは近隣窮乏化政策ではない」と言明した。

このほか、米国の株価が過大評価されているようには見受けられな いと述べた。質疑応答で議長は「株価に伴うリスクプレミアムには極め て幅がある」と述べ、「企業の利益や金利と照らし合わせても株価は過 大評価されていないようだ」と続けた。

原題:Bernanke Defends Asset Purchases as Benefits Outweigh Risks (3)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE