日本株は3日ぶり反落、伊政局警戒し輸出、素材中心売られる

東京株式相場は3営業日ぶりに反 落。イタリアで再選挙の可能性が浮上し、リスク回避の動きからきのう の海外為替市場でユーロ安・円高が進行、米国株が急落したことで警戒 感が広がった。電機や精密機器、ゴム製品など輸出関連株、鉄鋼や非鉄 金属など素材関連株中心に安い。

TOPIXの終値は前日比13.93ポイント(1.4%)安の966.77、日 経平均株価は263円71銭(2.3%)安の1万1398円81銭。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「イタリア選挙は波乱なしと 油断していたが、予想外の結果だった」とした上で、「内閣が発足する までは不安定な動きが予想され、利益確定売りが出やすい」と見る。

イタリアで24、25日に実施された総選挙の投票終了後の一部調査に よると、上院ではベルルスコーニ前首相率いる陣営が過半数に満たない ものの、民主党・ベルサニ党首の中道左派の勝利を不可能にするのに十 分な議席数を得たもよう。これにより、イタリアの政権運営で必要な上 下両院での過半数勢力が誕生しない可能性が生じた。

ベルサニ党首は26日、自らの中道左派陣営主導で政府発足を目指す 責任があると述べ、選挙結果確定後にベッペ・グリッロ氏率いる「五つ 星運動」と、合意を探る必要が出てくる可能性を示唆した。ベルルスコ ーニ前首相とグリッロ氏は、いずれもモンティ暫定首相が導入した緊縮 策の見直しを唱え、両陣営を合わせた得票率は約55%に達した。

VIX急上昇、海外で1カ月ぶり円高

緊縮財政を拒絶したベルルスコーニ前首相をイタリア国民が支持し たことが嫌気され、きのうの海外金融市場ではリスク回避の動きが鮮明 化。米国株オプションの指標で、投資家の警戒心理を示すシカゴ・ボラ ティリティ指数(VIX)はきのう18.99と、昨年12月28日以来の水準 に急上昇した。ニューヨーク為替市場ではリスク回避の円高が進み、円 は対ユーロで一時118円73銭と1月24日以来1カ月ぶり、対ドルでも90 円88銭と1月31日以来の高値水準に振れた。

「経済規模の大きいイタリアで緊縮財政路線が否定されることにな れば、欧州信用不安が再燃しかねない」と、SMBCフレンド証券の中 西文行シニアストラテジストは危惧している。きょうの国内金融市場で は、株式に先物主導で売りが増えた半面、債券は買われ、長期金利は一 時0.675%とおよそ10年ぶり低水準を記録した。

東証1部33業種のうち、29業種が下落。為替の円安期待の後退で輸 出関連株が総じて下げ、精密、電機、輸送用機器、ゴム製品が業種別下 落率上位に並んだ。鉄鋼やガラス・土石製品など素材関連株も安い。こ れに対し水産・農林、不動産、海運、その他金融の4業種は上げた。

十分なセーフティーネット

もっとも、上昇基調が長期化する日本株は、前日に昨年来高値を更 新した後でもあり、「これぐらいの調整は当然。センチメントは悪くな っていない」と富国生命の山田氏は言う。自民、公明両党は26日、次期 日本銀行総裁に黒田東彦アジア開発銀行総裁を充てるなど正副総裁3人 の人事案について、3月14日に衆院本会議、同15日に参院本会議で採決 する方針を確認したと共同通信は報じた。

また、現在のイタリア情勢と以前のギリシャ再選挙との類似性が意 識されやすい中、「今回はアウトライト・マネタリー・トランザクショ ン(OMT)などセーフティーネットが十分張られている。円高に振れ ても一時的だろう」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則 弘投資情報部長は指摘している。

東証1部の売買高は概算で39億447万株、売買代金は2兆2120億 円。値上がり銘柄数は366、値下がり1253。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE