債券は上昇、長期金利10年ぶり低水準に-イタリア政局不安で買い優勢

債券相場は上昇。イタリア総選挙結 果を受けた同国の政局不透明感を背景にリスク回避の動きが強まり、債 券買いが優勢となった。長期金利はおよそ10年ぶり水準まで下げた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前日比2ベーシスポイント(bp)低下の0.685%と、昨年12月6日以 来の低水準で開始。午前は同水準で推移したが、午後に入ると水準を切 り下げ、1時すぎに3bp低い0.675%と、2003年6月27日以来の低水準 を付けた。その後は0.68%で推移している。5年物の108回債利回りは 同0.5bp低い0.115%と、2000年の5年債発行開始後の最低水準を前日に 続いて更新した。

超長期債も堅調。20年物の142回債利回りは一時4bp低い1.67% と、昨年12月13日以来の水準まで下げた。30年物の37回債利回り は3.5bp低い1.865%と、昨年9月5日以来の低水準を付けた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、イタリ ア政局不安でリスク選好の巻き戻しが起きて、金利低下が進んでいると 指摘した。「イタリア国債はパニックになっていないものの、選挙結果 がきっかけとなり、株や為替市場でアンワインドの動き」と説明した。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比24銭高の144円91銭で始 まり、144円95銭と中心限月で昨年12月10日以来の高値を付けた。その 後は高値圏でもみ合いとなり、結局は17銭高の144円84銭で引けた。

イタリア総選挙

イタリアで25日開票が行われた上院および下院選挙は、いずれの政 党連合も安定多数を確保できない見通しとなり、各陣営の間で政権発足 の可能性を探る協議が行われる見込み。同国の財政再建が滞るとの見方 が広がり、26日の東京株式市場で日経平均株価は大幅安。前日比263 円71銭安の1万1398円81銭で引けた。外国為替市場ではユーロが下落。 対ドルで約6週間ぶり安値を付け、対円でも下げた。

三菱東京UFJ銀行の関戸孝洋ジャパンストラテジストは、「イタ リア総選挙で先行きの評価が固まっておらず、不透明感が強くリスク要 因で、円債には買いが入っている」と説明した。

安倍晋三首相が日本銀行次期総裁に元財務官の黒田東彦アジア開発 銀行(ADB)総裁を充てる意向を固めたことが、関係者2人への取材 で分かった。副総裁には岩田規久男学習院大教授、中曽宏日銀理事を起 用する案が有力。これに対し、民主党幹部の1人は25日、「市場との対 話能力や組織運営能力など、党の判断基準にいずれも合致している」と 述べ、受け入れ可能との考えを示したと共同通信が報じた。

三菱東京UFJ銀の関戸氏は「黒田氏はいろいろと資産で買えるも のがあると発言し、岩田氏も当座預金残高を増やせると提案している。 J-REITなどは市場規模が小さく、日銀が大量に買える資産として は国債しかない」と話した。

山脇氏は「黒田氏の総裁人事案は想定していたが、岩田氏の副総裁 人事案はサプライズ」と話した。BNPパリバ証券の伊藤篤チーフ円債 ストラテジストも、岩田氏の人事案に意外感が広がりきのう買いが入っ たと指摘。その上で、「同氏は資産買い入れ等基金の増額のみならず、 日銀券ルールの撤廃を含む輪番オペの増額などもを提案しており、30年 債までの超長期債の利回りも低下した」と説明した。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果 では、募入最大利回り較差がマイナス0.028%、募入平均利回り較差が マイナス0.029%となった。需要の強さを示す応札倍率は3.37倍と、昨 年6月入札以来の高水準となったことも買い材料となった。

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