NY外為:ユーロが7週ぶり安値から戻す-伊選挙の懸念後退

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ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対し、一時付けた7週間ぶり安値から値を戻した。イタリ ア総選挙の結果の影響で欧州債務危機が深刻化するとの懸念が広がって いたが、その懸念が和らぎイタリア・スペイン国債が下げを縮めたこと が手掛かり。

ユーロは対ドルで方向感の定まらない展開となった。市場では、周 辺国の国債での損失を限定するため欧州中央銀行(ECB)が介入する との見方も広がっている。円は値下がり。安部晋三首相が日本銀行の次 期総裁に元財務官の黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁を起用する との観測が背景にある。黒田氏は積極的な金融緩和に前向きとされる。 ドル指数は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が 当局の資産購入プログラムを擁護したことに反応した。

オンライン為替取引オアンダ・コープのシニア通貨アナリスト、ア ルフォンソ・エスパルザ氏(トロント在勤)は「結局のところ、イタリ アの首相が誰かというのは大して問題ではない。反緊縮、反欧州の動き がけん引力を強めつつあるという事実が問題だ」と指摘。「明確な勝者 はおらず、これは必ずしも市場が予期していたニュースではない」と続 けた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ユーロは対ドルでほぼ変わら ずの1ユーロ=1.3060ドル。一時1.3018ドルと、1月7日以来の安値を 付けた。対円では0.1%上昇し1ユーロ=120円07銭。円は対ドル で0.1%下げて1ドル=91円94銭。

クレディ・スイスのテクニカルアナリスト、シリン・ベイン氏は顧 客リポートで、ユーロが主要な下値支持線を割り込んだ場合、昨年11 月23日以来の安値に下げる可能性が出てくると指摘した。同氏はユーロ が1.2998ドルの支持線を割り込めば、1.2876ドルまで下げる余地が生じ ると記している。

バーナンキ議長の認識

ドル指数は上昇。バーナンキ議長は上院銀行委員会での半期に1度 の議会証言で、量的緩和策は景気拡大を支援している一方で、インフレ や資産価格バブルを引き起こすリスクはほとんどないと述べた。

議長は「一部金融市場におけるリスクテークの強まりで発生し得る コストが、力強い景気回復の推進によるプラス面を上回るとはみていな い」と説明した。

また3月1日に発効する連邦政府の自動歳出削減については、議会 が回避できなかった場合、経済に「著しい」負担になると言明。議会に 対して、予算を「持続可能な長期の軌道」に乗せるよう求めた。

みずほフィナンシャル・グループの法人外国為替セールスバイスプ レジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「バー ナンキ議長の発言で1つ挙げられるのは、イタリアの銀行に何が起きよ うと、米国の銀行は十分に安全だということだ」とし、「再びボラティ リティが相場に影響している」と述べた。

イタリア国債

ドル指数は0.2%上げて81.851。一時0.1%下げる場面もあった。

イタリア総選挙では、ベルルスコーニ前首相が民主党党首ベルサニ 氏の勢力に敗れたことを認め、選挙のやり直しを避けるため、幅広い連 携を模索することを否定しなかった。

イタリア10年債利回りは前日比40ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の4.89%。一時は44bp上げた。スペイン10年債利回り は19bp上昇と、一時の43bp上昇から上げを縮めた。

原題:Euro Rises From 7-Week Low on Easing Concern Over Italy Election(抜粋)

--取材協力:Robert Brand、Kevin Buckland、Anchalee Worrachate.