過去最大のLBO失敗かーKKRが買収した旧TXU破たん危機

プライベートエクイティ(未公開 株、PE)投資会社、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)や TPGキャピタルなどの投資家グループが5年前に買収した、エナジ ー・フューチャー・ホールディングス(旧TXU)が破たんする可能性 が高まっている。同案件はレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先 の資産などを担保にした借り入れによる買収)としては過去最大規模だ った。PE投資会社が支援した企業としては、クライスラー・グループ 以来で最大の企業破綻が起きる可能性が浮上している。

エナジー・フューチャーの電力卸売り部門、テキサス・コンペティ ティブ・エレクトリック・ホールディングスは、2014年10月に融資の一 部の返済期限を迎える。事情に詳しい関係者2人によれば、非公式な形 での債務再編協議が既に行われているという。プロセスが非公開だとし て匿名を条件に語った債権者1人によれば、破綻した場合、優先債権者 はテキサス・コンペティティブの取得に動く可能性が高い。優先債権者 にはフランクリン・リソーシズ、アポロ・グローバル・マネジメント、 オークツリー・キャピタル・グループ、GSOキャピタル・パートナー ズが含まれる。

2007年に行われた480億ドル(約4兆4840億円)でのエナジー・フ ューチャー買収で頂点に達したPE投資会社による買収ブームは、翌年 の金融危機で一気に下降線をたどった。テキサス・コンペティティブが 破綻した場合、KKRやTPG、ゴールドマン・サックス・キャピタ ル・パートナーズを含む買い手が投じた83億ドルの大半が消えることに なる。同買収はLBOとしては過去最大規模だった。また、PE投資会 社が投資した企業としては、09年に米政府に救済されたクライスラー以 来で最も注目を集めた企業の破綻ともなり得る。

「ヒステリックなほどの楽観」

ミシガン大学のエリック・ゴードン教授(PE投資・法律)は取材 に対し、「この買収はそもそも理にかなうものではなかった」とし、 「KKRやTPGをはじめ、資金を投じた全ての企業がヒステリックな ほど過剰に楽観視していたあの時期でしかあり得ない買収だ」と指摘し た。

PE投資会社は投資家の出資や借り入れで資金を調達し、企業を買 収する。買収後はその企業の業績を改善させ、3-5年後に売却して利 益獲得を目指す。ブルームバーグのデータによれば、05-07年に発表さ れたPE投資会社の買収の規模は世界全体で2兆ドルを超える。

エナジー・フューチャー買収は元来、天然ガス価格の上昇を見込ん で、401億ドルの債務を使った賭けだった。だが実際には、天然ガス価 格は08年以降77%下落している。

規制当局への届け出によれば、エナジー・フューチャーの昨年の EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は調整後ベ ースで37億ドルと、買収の翌年の48億ドルから減少。エナジー・フュー チャーの債務全体のうち約310億ドルを、テキサス・コンペティティブ が抱えている。届け出資料によると、昨年12月31日時点でエナジー・フ ューチャーにおけるKKRの持ち分は、当初投じた規模の5%と評価さ れている。

原題:Biggest LBO Failure Becomes Energy Future Purgatory for KKR (1)(抜粋)

--取材協力:Beth Jinks、Mark Chediak.

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