ゴールドマン:東京拠点のオフィス縮小へ、森ビルと交渉中

米ゴールドマン・サックスは東京・ 港区にある日本拠点のオフィススペースを縮小する計画であることが分 かった。コスト削減のため。複数の関係者が25日までに明らかにした。

ゴールドマンは六本木ヒルズにある地上54階建ての森タワー43階か ら48階に入居しており、そのうち2フロアーの賃貸契約を解除すること で森ビルと現在交渉中だという。関係者によれば、コスト削減が主な目 的で人員削減は伴わないとみられる。

ゴールドマンや米シティグループ、野村ホールディングスなど日本 で業務を営むグローバル金融機関は、欧州債務危機の長期化や国内経済 の停滞で収益が伸び悩んだことから、不動産や人件費などの経費削減に 取り組んできた。東京都心部のオフィス賃料が過去最低を記録する中 で、ゴールドマンはさらにコスト削減を進めることになる。

森ビルとの交渉についてゴールドマンは、「オフィススペースを最 適化するためにさまざま案を検討している」とブルームバーグ・ニュー スの質問に対し文書で回答した。詳細については控えるとしている。森 ビルの広報室長の野村秀樹氏もコメントを控えた。

ゴールドマンは2月現在、日本で約1200人の人員を抱えている。同 社の松本弘子広報担当によれば、人数は1年前と比較してほぼ変わらな いという。

縮小する経済

ブルームバーグデータによれば、日本企業が株式資本市場から調達 した資金は2011年と12年の2年で3兆9000億円に上った。これは2010年 1年間の5兆円より小さく、国内経済の停滞に伴い金融市場でも企業の 株式発行など資金調達の動きが鈍っていたことを裏付けた。ただ、安倍 晋三政権発足後の年明け以降は回復の兆しも見えている。

こうした中、シティグループは日本のリテール(個人向け)銀行業 務の本社機能を品川から新宿に14年7月にも移転する計画であることが これまでに分かっている。より広いスペースでの業務が可能になり、コ スト削減にもつながる見通しだ。

また、米モルガン・スタンレーは日本拠点を恵比寿から大手町に移 転することで契約したことが判明している。14年に「大手町フィナンシ ャルシティ」に移転する見通し。モルガンSは「ビジネスを行う上で常 に高まる技術的要求や主要商業エリアにおける魅力的な賃料状況を勘案 した」とコメントしている。

六本木ヒルズ

六本木ヒルズの高層オフィスビルの森タワーにはグーグルやグリー など国内外のIT企業などが多数入居している。関係者が1月に明らか にしたところによると、米アップルの日本法人は4月にも新宿から同ビ ルにオフィスを移転する計画だ。

ゴールドマンが契約解除しようとしている43階と44階には同社のア セットマネジメント部門のほか、スポーツジムなどの施設がある。アセ ットマネジメントなどの従業員は他のフロアーに移動させる見込みだ。

ゴールドマンはデフレ脱却を目指す安倍政権の発足後、株式市場の センチメントが改善で売買が活発化する中、政府保有の日本たばこ産業 (JT)株の売り出しでジョイントグローバルコーディネーターを務め る。また、オリックスの蘭大手銀行ラボバンクの資産運用子会社の買収 ではフィナンシャルアドバイザーとなっている。

--取材協力:桑子かつ代. Editors: 平野和, 浅井秀樹