政府:JT株を最大3億株超売却、復興財源に-保有比率低下

財務省は25日、政府保有の日本たば こ産業(JT)株を最大で約3億3333万株売却すると発表した。売り出 し価格や株数を3月11日から13日の間に決定し、4営業日後に証券会社 が引き受け投資家に売り出す。上限の株数を売却した場合、JT株の政 府保有比率は現行の50%から約33%に低下する。

同省は1994年以降、JT株の市場売却を3回実施しており、今回で 4回目。政府は現在、10億株を保有している。東日本大震災の復興財源 を確保するため、2011年10月にJT株の保有義務の割合を2分の1から 3分の1超へ引き下げ、余剰分の売却方針を決定。法改正などを経て3 億3000万株超の売却が可能となっていた。

政府は今年度予算に売却額5003億円を計上しているが、最大の売却 予定株数を25日終値を基に試算すると約9670億円と倍増する。予算を上 回る額は翌年度の償還財源に充てる方針だ。主幹事は大和証券、ゴール ドマン・サックス証券、JPモルガン証券とみずほ証券の4社。

JTも同日、発行済み総数の6.2%に相当する1億1800万株を上限 に自己株を取得すると発表した。総額の上限は2500億円で期間は27日か ら3月8日。同社は、以前から保有する自己株式を含め、当面の間、保 有を続ける予定としている。同省はJTによる自社株取得による処分後 の株式数のうち6割弱を国内、4割強を海外で売り出す。

たばこ事業が好調

同社は国内のたばこ需要が伸び悩むなか、食品、医薬、海外でのた ばこ事業の拡大に取り組んできた。99年に米RJRナビスコから米国外 のたばこ事業を買収したのをはじめ、07年に英ギャラハー、12年にベル ギーのグリソンの買収など海外での積極的な事業展開が軌道に乗り、た ばこ事業で海外の収益が国内を上回っている。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は同日、JT株 について「ディフェンシブ株としても、海外事業の伸びで成長株として もいい」と評価した上で「昨年の11月とは大違いで地合いが良く、日経 平均も1万2000円に近づいており、良いタイミング」と述べた。

今期(13年3月期)の連結業績について同社は1月31日、純利益見 通しを3300億円と従来予想の3180億円から上方修正した。たばこ事業が 好調なうえ、従来の想定より円安に推移していることも要因だ。株価も 今年に入って上昇基調を強め、2月6日には終値で3090円と、約5年ぶ りの水準まで上がっていた。25日終値は前日比1.4%高の2901円。

JT株の売却をめぐっては、同省が昨年11月、経済の低迷や総選挙 後の政治情勢などの不確定要因を理由に昨年中の放出見送りを決めた経 緯がある。しかし、デフレ対策を最優先に掲げた安倍政権発足に伴い、 円安が進行するとともに株価が上昇。日経平均株価は野田政権が衆院解 散方針を決めた昨年11月16日から2月25日の間、約3割上昇。好調な市 況が大規模な政府株の放出を後押しした格好だ。

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