日本株続伸し昨年来高値、日銀人事とTPP進展に期待広がる

東京株式相場は大幅続伸し TOPIX、日経平均株価とも昨年来高値を更新。日本銀行の首脳人事 報道を受けた積極的な金融緩和期待に加え、為替の円安進行、日米の環 太平洋連携協定(TPP)交渉入りへの前進が好感された。輸出や素 材、金融など景気敏感株中心に幅広く上げ、海運は業種別上昇率で1 位。

TOPIXの終値は前週末比17.22ポイント(1.8%)高の980.70、 日経平均株価は276円58銭(2.4%)高の1万1662円52銭。TOPIX は2010年4月30日以来、2年10カ月ぶり、日経平均は08年9月29日以 来、4年5カ月ぶりの高値水準。

しんきんアセットマネジメント投信の宮嵜浩チーフエコノミスト は、「安倍政権のデフレ脱却への姿勢が日銀人事という分かりやすい形 で表れた」と評価。特に、日銀政策に最も批判的だった岩田規久男氏が 副総裁候補として名前が挙がったことは、「政府のリフレへの気合いが うかがえる」と指摘した。

安倍晋三首相は、日本銀行の次期総裁に元財務官の黒田東彦アジア 開発銀行(ADB)総裁を充てる意向を固めた。関係者への取材で明ら かになった。副総裁には学習院大学の岩田規久男教授、中曽宏日銀理事 を起用する案が有力となっている。3氏の登用案については、25日未明 に共同通信などが先行して報じていた。

シティグループ証券が先週まとめた分析によると、黒田氏の総裁、 岩田(規)氏と中曽氏の副総裁という人事案は、同証が事前に7通り予 想したケースの中で最も評価が高い組み合わせの1つだった。この組み 合わせによるインプリケーションは、為替レンジが1ドル=95円-100 円、日経平均は1万1700-1万2595円としている。

円安進む、日米首脳会談

市場で積極的な緩和推進派と受け止められている黒田、岩田(規) 両氏の日銀執行部の就任観測で、東京外国為替市場では早朝に円が下 落。対ドルでは一時94円77銭と10年5月以来の円安水準まであった。そ の後はやや円安の勢いは一服したものの、中期的なリフレ策への期待で 株価指数は取引終了にかけ一段高、日経平均はきょうの高値で引けた。

安倍政権の成長戦略に対する期待も追い風となった。安倍首相とオ バマ米大統領はホワイトハウスで22日に会談、共同声明を発表した。 TPPでは、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求 められるものではない」ことを確認した、と説明。首相は会見で、24日 に帰国した後、自民、公明両党に協議結果を説明、日本がTPP交渉に 参加するかどうかを決断したいと述べた。

岡三証券投資戦略部の石黒英之日本株式戦略グループ長によると、 「TPPの交渉進展は予想以上に早いスピードで、海外投資家にとって サプライズだ」という。参加が実現するようなら「日経平均は今後リー マン・ショック直前の1万2214円をトライする形になる」と予想した。

野村証券では、首脳会談を受け参加の確度が高まったとし、低成長 の日本経済にとってTPPは重要な成長戦略と分析。13年末の日経平均 目標を従来の1万2500円から1万4500円に引き上げた。共同通信 が23、24日に実施した全国電話世論調査によれば、安倍内閣の支持率 は72.8%と前回から6.1ポイント上がり、TPP賛成は63%と、反対 の24.7%を大きく上回った。

海運に格上げ材料

東証1部33業種は空運を除く32業種が上げ、海運、鉄鋼、不動産、 石油・石炭製品、非鉄金属、倉庫・運輸、ガラス・土石製品が上昇率上 位。海運には円安期待に加え、モルガン・スタンレーMUFG証券がコ ンテナ市況の回復期待を株価は織り込んでいないとし、業界判断を強気 に上げる材料があった。個別でも、同券が格上げした川崎汽船は東証1 部売買代金上位で急伸。リフレ政策による資産価格上昇への期待から、 不動産株も午後に上げ幅を拡大させた。

東証1部の売買高は概算で33億6536万株、売買代金は同2兆132億 円。値上がり銘柄数は1368、値下がりは252。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE