債券は続伸、日銀人事報道で追加緩和観測-先物は2カ月半ぶり高値

債券相場は続伸。日本銀行総裁・副 総裁人事に関する報道を受けて、追加緩和観測が強まり、買いが優勢と なった。先物は約2カ月半ぶりの高値を付けたほか、長期金利は0.7% 割れ目前となっている。

東京先物市場で中心限月の3月物は3営業日続伸。前週末比4銭高 の144円54銭で開始し、その後はじり高の展開。午後に入ると、一時144 円74銭まで上昇して、日中取引ベースで昨年12月11日以来の高値を記 録。結局は17銭高の144円67銭で引けた。

ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト は、日銀正副総裁人事を受けて堅調な相場だと指摘。「岩田規久男氏の 副総裁起用は驚きできょうの相場上昇につながったのではないか。マネ タリーベースを増加させればデフレ脱却という主張だけに、その手段は 大量の国債買い入れだ。資産買い入れ等基金の買い入れ対象年限の延長 や輪番国債買い入れオペの増額にも言及しており、この辺りの観測から 全てのゾーンが買われた」とも語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.715%で開始。その後も徐々に水 準を切り下げ、2bp低い0.70%と、昨年12月12日の0.695%以来の低水 準を付けた。5年物の108回債利回りは1bp低い0.12%と、2000年の5 年債発行開始後の最低水準を更新した。

超長期債も堅調。20年物の142回債利回りは一時2bp低い1.705% と、昨年12月21日以来の低水準を付け、その後は1.71%。30年物の37回 債利回りは2.5bp低い1.89%と、昨年12月11日以来の低水準を付けた 後、1.90%で推移した。

緩和に積極的な人選

バークレイズ証券の丹治倫敦債券ストラテジストは、「株高、債券 高、円安と、緩和期待の典型的な展開になっている。正副総裁の人選は 予想の中心より緩和に積極的な人物となっており、為替や株式の反応に 配慮したとみられる。具体的には国債の買い入れ強化が5年債のみなら ず、10年債や超長期債まで拡大される可能性がある」と述べた。

安倍晋三首相は25日、次期日銀総裁に黒田東彦アジア開発銀行総 裁、副総裁に学習院大の岩田規久男教授と中曽宏日銀理事を起用する人 事案を公明党の山口那津男代表に示した、と共同通信が報じた。

大和証券債券調査グループの山本徹チーフストラテジストは、「黒 田氏は、円高ファイターとの印象が強い」と指摘。大和住銀投信投資顧 問の伊藤一弥債券運用部長は「武藤敏郎元財務次官よりも、黒田氏の方 が金融緩和に積極的という印象」と話した。

東京外国為替市場で円は、対ドルで一時94円77銭と、2010年5月以 来の円安・ドル高水準を付けた。その後は94円台前半でもみ合い。国内 株式市場で日経平均株価は大幅続伸。前週末比2.4%高の1万1662円52 銭と、昨年来高値を更新した。

--取材協力:船曳三郎. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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