NY外為:円は上昇、逃避需要-イタリア選挙結果の不透明感で

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ニューヨーク外国為替市場では、円 が対ドルで2010年5月以来の安値から上昇。対ユーロでも値上がりし た。4陣営が闘ったイタリア総選挙の集計途中経過で再選挙が必要にな る可能性が示唆され、不透明感から円に対する逃避需要が強まった。ユ ーロはドルに対し6週間ぶり安値に下落した。

ユーロは朝方の上げを消す展開。国営のRAI放送は、民主党のベ ルサニ陣営が下院で勝利する可能性が高く、ベルルスコーニ陣営は上院 で過半数に満たないものの他勢力の勝利を封じ込める十分な議席を得た もようだと報じた。ポンドは、年初来の下落率が円を抜き先進10カ国の 通貨中で最大となった。英国の格下げが響いた。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ラビ・バラドワジ氏(ワシントン在勤)は「政治面での不透明感 の強まりから市場ではフラストレーションの症状が出ており、逃避の動 きが広がっている」とし、「ユーロは急に下げたが、これはそのフラス トレーションの度合いを反映している」と続けた。

ニューヨーク時間5時現在、ユーロは対ドルで前週末比1%安の1 ユーロ1.306ドル。一時1.3048ドルと、1月10日以来の安値を付けた。 円は対ドルで1.7%上昇し1ドル=91円82銭。一時90円88銭と、1月31 日以来の高値を付けた。対ユーロでは2.7%高の1ユーロ=119円93銭。 一時3.6%高となる場面もあった。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは年初以降1.3%上 昇。円は3.9%下げ、ドルは2.4%上げている。

カナダ・ドルは対米ドルでほぼ8カ月ぶりの安値を付けた。カナダ 銀行(中央銀行)のカーニー総裁が、経済成長ペースの予想以上の減速 を示唆するとの観測が広がった。カナダ・ドルは0.5%安の1米ドル =1.0262カナダ・ドル。一時1.0278カナダ・ドルと、昨年6月29日以来 の安値を付けた。

イタリア総選挙

イタリアの選挙の出口調査や予想は、過去の例から信頼性に欠け、 ベルルスコーニ陣営への支持が過小評価される傾向があることが分かっ ている。2006年の選挙では、当初の出口調査ではベルルスコーニ氏はプ ローディ元欧州委員長を6ポイント下回っていたが、最終的には約0.1 ポイントの差での敗北だった。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「選挙結果がさらにはっきりす るまで、ユーロへの圧迫は続く」とし、「不透明感が強く、ユーロやリ スク資産全般に重しとなっている」と述べた。

円相場

円は一時値下がりしていた。安倍晋三首相が日本銀行総裁に黒田東 彦アジア開発銀行総裁を起用するとの報道を受けた。黒田氏は積極的な 金融緩和に前向きとされる。

UBSのシニア為替ストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は「市場 では、黒田氏はハト派で、日銀総裁になった場合は成長支援に向け積極 的に追加策を講じるとの見方が固まってきているようだ」とし、「円は 追加緩和の観測から下げている」と続けた。

原題:Euro Declines to Six-Week Low Amid Italian Election Concern(抜粋) Euro Declines to Six-Week Low Amid Italian Election Concern (抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.