イタリア選挙:ベルサニ氏が激戦州で負ければ大連立や再選挙も

イタリアで24、25日実施の上院およ び下院選挙に関する5つの最終世論調査(8日公表)によれば、民主党 のベルサニ党首を中心とする中道左派の平均支持率が34.9%、ベルルス コーニ前首相が率いる中道右派の「自由国民」陣営が28.9%、人気コメ ディアンのベッペ・グリッロ氏が主導する「五つ星運動」が16.4%、モ ンティ暫定首相が率いる中道勢力は13.7%となっている。

両院の選挙は比例代表制の下で行われ、下院(定数630)では最多 得票の政党連合に自動的に少なくとも54%(340議席)を配分。上院 (定数315、終身議員を除く)では各州の定数の過半数がそこでの得票 が最も多い陣営に割り当てられるため、ベルサニ陣営が世論調査通りの リードを保って勝利しても、上院の過半数獲得は難しい。

上院選の主戦場となる3つの激戦州でのベルサニ、ベルルスコーニ 両陣営の平均支持率は、ロンバルディア(定数49)がいずれも34.4%と 拮抗(きっこう)。カンパニア(同29)は33%、29.8%でベルサニ陣営 がリード、シチリア(同25)は28.5%、30.7%でベルルスコーニ陣営が 優位に立つが、いずれも僅差にとどまる。世論調査によれば、中道左派 が上院で過半数の158議席を確保するには、3つの激戦州全てを押さえ る必要がある。

主戦場は3つの激戦州

中道左派が上院で過半数を獲得できず、モンティ氏の中道勢力と連 立協定を結ばざるを得ない場合、ベルサニ氏の盟友であり、モンティ氏 の緊縮政策の一部見直しを求めるプーリア州のベンドラ知事との関係に きしみが生じる。中道左派が3つの激戦州で全て負けたり、中道勢力の 得票が世論調査を大きく下回ったりすれば、ベルルスコーニ陣営に協力 を求めるか、さもなければ再選挙が実施される事態もあり得る。

上院の選挙結果の最新予測(SWG、8日公表)は、ベルサニ陣営 が146議席、モンティ氏率いる中道勢力が21議席。両者の連立が実現す れば、167議席を確保できる計算になる。海外在住のイタリア人が選ぶ 6議席の在外枠は考慮されていない。

主要政党・連合(カッコ内は指導者)の主要政策は以下の通り。

・民主党(ベルサニ書記長):富裕層増税と脱税取り締まりで得た財源 を低・中所得層減税に充てると公約。ベルサニ党首は、欧州連合 (EU)との財政赤字の約束を守ると表明する一方、成長促進のための 投資に関する財政ルール緩和も欧州レベルで働き掛けている。盟友のベ ンドラ・プーリア州知事は、モンティ首相の緊縮策と労働改革に批判的 だ。

・自由国民(ベルルスコーニ前首相、首相候補はアルファノ幹事長): ベルルスコーニ氏は、モンティ氏が中道右派陣営を率いるオファーを断 った後、反緊縮的な発言を強めている。モンティ氏が導入した不動産税 廃止と納税分の還付、減税を約束。EUの財政協定は成長を阻害すると 主張し、欧州中央銀行(ECB)が「最後の貸し手」になるべきだと発 言している。

・モンティ連合(モンティ暫定首相):親欧州・改革志向のロードマッ プは競争力強化を目的とし、財政緊縮のほか、利益相反・汚職対策や若 者・女性の雇用拡大策も盛り込む。5年間で300億ユーロの減税を公 約。

・五つ星運動(ベッペ・グリッロ氏):反緊縮的なアジェンダでユーロ に関する国民投票と公的な政党助成の廃止を掲げ、イタリアのユーロ圏 離脱はタブーではないとグリッロ氏は強調。

原題:Italy’s Bersani May Need Post-Vote Deal With Monti: Scenarios(抜粋)