国交省:異物のかみこみや付着-B787燃料漏れで原因が判明

米ボストンの空港や成田空港で起き た日本航空機のボーイング787(ドリームライナー)の燃料漏れは異 物のかみ込みなどが原因だったことが判明した。太田昭宏国交相が22日 の閣議後会見で明らかにした。同省は再発防止のため、燃料ポンプの事 前確認などの対策を取るよう、B787を保有する日航と全日本空輸に 指示した。

航空事業安全室の高野滋室長は同日、1月9日(日本時間)に発生 したボストンでのトラブルについて、意図しない燃料移動が生じ、燃料 漏れに至った可能性があると記者団に説明した。当初疑われた英国メー カーの部品の持ち込み検査では異常は無かった、という。

今回の調査チームのメンバーである同安全室、首席整備審査官の島 津達行氏は、ボストン空港での異物のかみ込みは「1.5ミリ程度のもの が入ったと推定される」と説明。ただ「それが何かは特性されていな い」と述べた。

また同省が発表した調査資料によると、ボーイング社は、初期製造 のB787では燃料タンク内に破片やテープくずなどの異物が発見され たことから必要な対策を講じていたものの、ボストンでの事案について は異物が完全に除去されていなかった可能性があるとしている。

再発防止策として同省は、飛行の前に整備士が中央燃料ポンプを作 動させて点検し、意図しない燃料移動が発生しないことを確認すること を挙げた。また飛行中に意図しない燃料移動が生じた場合は、左右のタ ンクの燃料量に不均衡が生じたケースで乗員が取るべき操作手順に従う ことなど、周知徹底を図るとしている。

弁が作動せず

ボストンに続いてB787が1月13日に成田空港で燃料漏れを起こ した事案については、弁が作動しなかったことが原因とした。駆動装置 のスイッチ部分に絶縁コーティングと異物が付着し、閉まった状態を感 知するスイッチが押された状態で固着したままだった。高野氏による と、ボーイングは既に絶縁コーティングの件については問題を把握して おり12年3月以降の機材は対応されている、という。

燃料弁の開閉状態と操縦室の表示が異なる状態を防ぐため、改良型 の燃料放出弁駆動装置を開発中。同省は、改良装置の装備までの間は、 弁の開閉を目視で確認するよう、航空会社に求めた。

同省はまた、全日空のB787で、1月9日から11日にかけて機材 の不具合が3件発生した調査結果についても発表した。ブレーキ装置の 一部不作動ではトランジスタの破損を確認。また、発電機用オイルの熱 交換器からの漏れについては、改良型の機器への交換で対応する計画。 さらに操縦室窓のひび割れについては、ボーイングと部品製造者による 品質向上の取り組みを監視するとしている。

B787は他にも1月に全日空機が高松空港に緊急着陸するトラブ ルがあった。搭載していたGSユアサ製のバッテリーに不具合が発生し たためで、その後、原因を突き止めるため日米当局などによる調査が続 いている。国内外の航空会社もトラブル発生直後から同型機の運航を停 止している。

バッテリー調査に全力

太田国交相は同日の会見で一連の不具合について、「極めてデリケ ートな問題だったので原因究明に全力を挙げた。まず燃料漏れについて はクリヤーできたと思う」と述べた。その上で、「最大の重大インシデ ントであるバッテリー事案について原因を究明し、安全を確認して早期 の運航再開ができればと思っている」とし、バッテリー調査に全力を挙 げる考えを示した。

燃料漏れの原因が判明したことを受け、日航広報担当者の南場太郎 氏は今後の補償請求問題について「既に社長が公言しているように、ま ず全ての問題を解決して運航を再開させることが最優先、その他の案件 は現時点でコメントしない」と述べた。

全日空広報担当者の野村良成氏は「現時点でコメントはない。われ われとしては安全を大前提に、1日も早い運航再開を望んでいる」と述 べた。