ソニー:「PS4」年内発売、7年ぶり新型機-平井体制で挽回

ソニーは据え置き型ゲーム機として は7年ぶりとなる「プレイステーション(PS)4」を年内に発売す る。スマートフォン(多機能携帯電話)で遊べるゲームに人気が集まる 中、クラウドやソーシャルメディアの機能を取り込んで据え置き型の巻 き返しを狙う。

ゲーム子会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE) のアンドリュー・ハウス社長が20日夕(日本時間21日朝)、ニューヨー クで発表した。2013年の年末商戦に発売する予定で、価格は言及してい ない。プレーヤーのコミュニケーションを重視したPS4は、ネットワ ークで友人のゲームをライブで見たり、メッセージを送れる。

PS4は平井一夫社長の体制が発足して以降で初めて発表されたゲ ーム機。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などスマート フォンやタブレット端末向けに配信される交流ゲームが浸透する中で、 専用機は苦戦している。ゲーム機世界首位の任天堂は今期(2013年3月 期)で2年連続の営業赤字となる見込みだ。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員はPS4につい て「短期的に株価が買われる材料になる可能性はあるが、業績が飛躍的 に上がることは考えにくい」と指摘した。据え置き型ゲームを買うのは コアユーザーだけになっているとして「売れるとしたら誰もが買いたい と思うようなキラーコンテンツが必要だが難しい」と予想した。「時代 は変わっている。暇つぶしのアイテムとしてタブレットやスマホと競争 しなくてはならない」と秋野氏は付け加えた。

東京市場のソニー株終値は、前日比24円(1.8%)安の1331円と反 落した。岡三証券の大場敬史シニア・ストラテジストはPS4について 「価格や発売日などは不明であるため、株価へ織り込むには材料が不十 分」との見解を示した。ソニー株は年初来では4割弱上昇している。

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イベントではPS4の新コントローラーと専用カメラが披露され た。新コントローラーは従来のPS3に使われるワイヤレスコントロー ラーの外観を踏襲するが、新たに高感度タッチバッドやシェアボタンな どを搭載。専用カメラは広角レンズで空間の奥行きを把握し、2人のプ レーヤーの前後関係も把握できる。

メモリーは8ギガバイトで、通常のパソコンに使われる演算能力の 高いプロセッサーが搭載され、ゲーム機の立ち上げが速い。ゲームが難 関に差し掛かったときネットワーク上で操作を交代することも可能だと している。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「PS4の演算能力は高 いが、ゲーム向きかという点は疑問。デモ画像を見ると、従来機種とグ ラフィックスで差別化されているとは言い難い」と評価した。

PS3減速

ソニーは11年1月に米グーグルの携帯向け基本ソフト(OS)「ア ンドロイド」搭載端末へのゲーム配信開始を表明、自前のハードにこだ わる戦略を修正した。12年7月には相手先の端末を問わずにデータを配 信するクラウドコンピューティング技術を持つ米ゲーム開発会社ガイカ イの買収を発表していた。

ソニーの今期据え置き機販売計画は前期比11%減の1600万台。現行 機種のPS3発売から7年目に入り減速が目立つ。そのPS3も当初は 対応ソフト不足などから、同時期に任天堂が投入した据え置き機「Wi i(ウィー)」に押されて伸び悩み、損益にも響いた。

ソニーは15年3月期に画像関連、ゲーム、携帯端末の3事業で、エ レクトロニクス部門の売上高の70%と営業利益の85%を確保する方針。 昨年10-12月期のゲーム事業の営業利益は、前年同期比86%減の46億円 で、他の家電や携帯などの事業は軒並み赤字となっている。

--取材協力 東京 天野高志 Editors:谷合謙三、上野英治郎、室谷哲毅

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