住宅ローンの返済に給料の7割も-中国メディアは奴隷と揶揄

上海の女性警官シェリー・ションさ ん(29)は4000元(約6万円)の黒い毛皮のジャケットを自分のために 買った。もうすぐ始まる住宅ローン返済前の最後のぜいたくだ。

ションさんのように一生涯住宅ローンの返済に追われることになる 中間所得層を、中国のメディアは住宅の奴隷を意味する「房奴」と揶揄 (やゆ)している。中国が住宅所有を増やす取り組みを1998年に始めて から、住宅価格はほぼ3倍となった。政府は不動産市場の抑制策を維持 しているが、個人による住宅ローンの利用は活発だ。

「来月から住宅ローンの返済が始まれば、こんなぜいたくをする余 裕はないと思う」と話すションさんは、だからこそ今のうちにこうした 買い物を楽しんでいるのだという。上海の西の郊外でワンベッドルーム のマンションを購入するのに110万元を支払った彼女は、住宅ローンの 返済に給料の約70%を充てるという。

中国では住宅購入に手が届く中間所得者層が拡大しており、これが 昨年後半に始まった不動産価格の回復に寄与している。不動産ウェブサ イトを運営する捜房によれば、1月の新規住宅価格は前月比1%上昇 と、2年ぶりの大きな値上がりとなった。北京と上海ではいずれ も2.3%上昇した。

ションさんは中国農業銀行から20年の住宅ローンと地元の住宅基金 からの15年ローンで計77万元を借り入れた。30%の頭金の支払いには両 親の支援も受けた。上海中心部の外灘から地下鉄で1時間かかる50平方 メートルの自宅のために毎月約4000元を返済することになる。この住宅 の値段は彼女の年収の16倍だ。

中古住宅で北京2位の不動産会社、偉業我愛我家集団でローン仲介 マネジャーをしている呉昊氏によれば、中国では月収の30-50%を住宅 ローンの返済に充てるのが一般的だ。同社は顧客に月々の返済額を月収 の3分の1未満に抑えるよう助言しているという。

呉氏は、ローンの借り手の給料が月間返済額の倍以上あることが中 国の銀行の「一般的なガイドライン」だと説明した上で、月給の7割を ローン返済に充てるのは「非常にまれだ」と話した。

原題:China Creates Housing Slaves Reaching for Property: Mortgages(抜粋)

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