合同製鉄社長:14年10月までに20億円のコスト削減

合同製鉄は、昨年4月に東京電力か ら始まった電気料金引き上げの動きが関西電力に広がることを受け て、20億円のコスト削減を行う。2014年10月までに実現し、財務体質の 強化を図る。

同社は新日鉄住金系の電炉メーカーで、鉄スクラップを原料として 電気炉で鉄鋼を生産する。大阪市と兵庫県姫路市、千葉県船橋市に工場 をもち、いずれも東電、関電管内にある。これまでも操業を電気料金の 安い夜間にシフトするなどし生産コストを引き下げてきたが、さらなる 削減が必要と判断した。

栗川勝俊社長(普通鋼電炉工業会会長)はブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで、「かろうじて利益を出している中でさらに20億 円を削減する。半期に5億円ずつ積み上げていく。スクラップや副原料 はよりグレードの低いものをうまく使う。操業技術や運賃削減などでカ バーする」と述べた。今期(2013年3月期)純利益見通しは前期比59% 減の10億円を見込んでおり、コスト削減額はその2倍に相当する。

国内の電炉メーカーは現在30社以上あるが、人口減少による内需低 迷に加え、東日本大震災後の原発停止の影響で電気料金引き上げの動き が広がり、業界をめぐる事業環境は一段と厳しさが増している。鉄鉱石 や石炭を原料に製鉄する高炉メーカーと違い、電力を大量消費するため 値上げが収益に直結する。栗川氏によると、電力料金は鉄スクラップを 除く生産コスト全体の2割程度を占める。

栗川氏は、電気料金の値上げがすぐに業界再編につながるものでは ないとしながらも、製品価格への転嫁は難しいと指摘。「コスト負担が 積もり積もってくると、企業間で財務体質の格差が出てくる。いよいよ 合従連衡になるときに主導権を握れるかという問題につながってくる」 と語った。

国内電炉は、普通鋼電炉工業会などによると、全国で電力会社から 年間約90億キロワット時の電気を購入しており、東京電力の値上げ幅の 1キロワット時当たり2.33円が全国に及ぶと約210億円のコスト負担増 となる。関電と九州電力が申請している、それぞれ2.68円、1.62円の電 気料金の値上げが実施された場合、東電を含む3社の管内に事業所があ る全電炉メーカーのコスト増加分は12年3月期経常利益の約2.5倍にな るという。

--取材協力:. Editors: 淡路毅, 杉本 等