米国債:もみ合い、10年債利回り10カ月ぶり高水準付近で推移

米国債市場では10年債利回りが10カ 月ぶり高水準付近で推移。米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公表 した連邦公開市場委員会(FOMC、1月29-30日開催)の議事録で は、債券購入の縮小開始の時期をめぐり当局者らの議論が続いているこ とが示された。

10年債はもみ合う展開。FOMC議事録によれば、毎月850億ドル という資産購入のペース変更、停止あるいは継続について参加者の見解 が割れた。朝方は、1月の住宅着工件数で一戸建て住宅の着工件数が増 加したことに反応し相場は下落した。2年債と10年債の利回り格差 は1.77ポイントと、4月以降での最大に接近した。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「議事録を受けて朝方の売りが買い戻された。FOMC がさらに政策議論を続けており、行動が差し迫っている可能性は低いと 市場が認識したためだ」と分析。「経済は、FOMCに購入縮小の必要 性が生じるような脱出速度に達していない。経済が改善するまで、 FOMCはこれ以上はないといえるほどの緩和姿勢を続けるだろう」と 述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.01%。同年債(表面利率2%、2023年2月償還) 価格は5/32上げて99 29/32。

10年債利回りは一時2.05%に上昇。14日には2.06%と、昨年4月10 日以来の高水準に達していた。

FOMC議事録

議事録では、数人は「景気見通しの変化もしくは資産購入の効果と コストに対する評価の変化に応じて、委員会は資産購入のペースを変え る準備をすべきだと強調した」と記された。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏は「当初の市場の反応は、年末より前に資産購入ペースを減速 させる可能性が高まったという認識を反映したものだった」とした上 で、「同時に、他の幾人かが資産購入の早過ぎる停止に懸念を示したこ とも分かり、それが市場のバランスを取ったようだ」と続けた。

ニューヨーク連銀はこの日、2020年5月から23年2月に償還を迎え る米国債33億ドル相当を買い入れた。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は前日58.4と、15日 の59.1を下回った。

移動平均

未来アセット・グローバル・インベストメンツによれば、10年債利 回りの200日移動平均は18カ月連続で低下した後、横ばいとなってい る。同移動平均は4週間近く1.71%でほぼ変わらずの状態にある。

未来アセットの債券トレーダー、ウィル・ツェン氏は「米国債市場 には弱気のモメンタムが見られる」と指摘。「長期の移動平均は低下傾 向から横ばいへと変わってきた。大幅な上昇はないだろうが、ゆっくり とした上昇トレンドにはなる」と続けた。

原題:U.S. 10-Year Yield Close to 10-Month High as Fed Debates QE Pace(抜粋)