運輸安全委員長:B787機体の配線についても調査へ-不具合問題で

運輸安全委員会の後藤昇弘委員長 は20日会見し、高松空港に緊急着陸した全日本空輸のボーイング787 のバッテリーの不具合について、原因は依然として不明のままだが、現 在調査しているバッテリーや周辺機器だけではなく、配線を含め電池を 取り巻く機体そのものについても原因につながるものがないか調査を進 めるとの考えを示した。

後藤委員長はこの日の会見で、高松の事故機の機体の両翼端と尾部 のナビゲーションライトが、すべてのスイッチがオフにもかかわらず点 灯していたとし、補助動力用(APU)バッテリーの電源コネクターを 外すと消灯したことを明らかにした。この事象に対し、「通常の設計配 線とは異なるもの」と指摘し、現在ボーイングや機体を保有している全 日本空輸に対して問い合わせているとした。

同委員会は、ナビゲーションライトの誤配線以外に配線のミスがな いか、特にバッテリー関連でこのような事例がなかったか慎重に調査す る考え。運輸安全委員会の首席航空事故調査官、工藤正博氏が会見後に 記者団へ行った説明によると、今回の部分以外で「現段階でB787の 配線におかしいところはない」という。

後藤委員長は、このナビライトの誤配線とメーンバッテリー不具合 の因果関係はありえないと断言したが、一方で現在発見されていない誤 配線など機体の製造段階での仕様がバッテリートラブルに結びついてい る可能性があるとの認識も示した。これまでのバッテリーと周辺機器以 外の調査にもエリアを拡大する可能性を示唆したことで、調査対象が広 がり原因究明へのプロセスが一段と長引く可能性が出てきた。

8つのセルすべてに熱損傷

後藤委員長はまた、不具合のあったリチウムイオンバッテリーに関 するこれまでの調査でメーンバッテリーの8つのセルすべてに熱損傷が あったと語った。「一部のセルの電極損傷は高温によるものと考えられ る」とし、セル内の熱暴走により過熱された可能性があると指摘。た だ、なぜ損傷が生じたのか「引き続き調査が必要」との考えを示し、不 具合の原因について「現時点では結論がはっきりしない」と述べた。

B787のトラブルについては、1月7日にも米ボストンの空港で 日本航空機のリチウムイオンバッテリーが発火。これを調査した米運輸 安全委員会(NTSB)はショートと熱暴走の証拠を見つけた、と発表 している。

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