森本日銀委員:かつてない大規模な緩和が進行-適時適切に政策判断

日本銀行の森本宜久審議委員は20日 午前、高知市内で講演し、金融政策運営について「今年はかつてなく極 めて大規模な金融緩和が進行している」とした上で、先行きさらに金融 緩和が必要かどうかは「適時適切な政策判断をしていく」と述べた。

森本委員は、日銀券に当座預金などを加えたマネタリーベースにつ いて「現状でも名目GDP対比で約27%と先進国で最大となっている が、50兆円超という今後の追加的な資金供給額を加味すると、マネタリ ーベースの名目GDP比はさらに10%以上上昇し、40%に近づく計算に なる」と語った。

日銀は先月22日の金融政策決定会合で、消費者物価指数の前年比上 昇率で2%を物価目標として掲げ、できるだけ早期に実現することを目 指すと表明した。森本委員は「日銀としては、景気回復が見えてきた現 在のこの状況を生かせるよう、強力な金融緩和策や成長支援策の施策を 通じて金融面から後押しをし、2%の物価安定の目標に着実に近づけ、 早期に実現することを目指していきたい」と述べた。

一方、日本の財政状況については「世界の中でも極めて厳しい実態 にあり、財政に対する信認が揺らぐことにでもなれば、金利が上昇し、 財政運営がさらに厳しくなるほか、金融緩和の効果が損なわれる恐れも ある」と指摘。「金融緩和効果を十分に発揮していく上でも、財政の健 全化に対する市場の信認を確保していくことは重要な課題だ」と語っ た。

年央にかけて緩やかな回復経路へ

景気の先行きについては「海外経済が減速した状態から脱していく につれて、輸出や鉱工業生産が持ち直しに転じ、設備投資や個人消費に も波及していくと考えられる」と言明。さらに、「足元の為替相場の動 きも輸出や企業収益などの下支えに寄与すると考えられる」とした上 で、「わが国経済は当面横ばい圏内になったあと、年央にかけて緩やか な回復経路に復していく」と述べた。

消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年比上昇率については「当 面、前年にエネルギー価格が上昇したことや耐久消費財の動きの反動か らマイナスとなったあと、再びゼロ%近傍で推移するとみられる」と指 摘。その上で「やや長めにみれば、景気回復に伴うマクロ的な需給バラ ンスの改善によりプラスに転じ、2014年度には徐々に上昇率が高まって いく」と語った。