2月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円は3日ぶりに上昇、麻生財務相が外債購入を否定

19日のニューヨーク外国為替市場では円が3日ぶりに対ドルと対ユ ーロで上昇した。日本政府は外債を購入する意向はないと麻生太郎財務 相が述べたことが手掛かりだった。

円は対ドルで2010年5月以来の安値付近から上昇した。前日には日 銀が進める金融緩和策の手段について、安倍晋三首相が「外債を買うと いう考え方もある」と述べたことから、円はドルに対して下落してい た。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は、「今後の政策方針を めぐって、安倍首相と麻生財務相の意見が一致していないように見受け られる」と述べ、「この不透明感で、円の最近の下げ足が鈍った」と続 けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.4%上昇して1ド ル=93円58銭。11日には94円46銭と、2010年5月5日以来の安値をつけ ていた。円は対ユーロでは0.2%上昇して1ユーロ=125円27銭。ユーロ は対ドルで0.3%上昇して1ユーロ=1.3388ドル。

日本の政策が通貨安戦争を引き起こしかねないとの批判が貿易相手 国から相次いで以降、日本の当局者は円安につながるような発言を抑え ている。

安倍首相がまだ野党自民党の総裁だった昨年11月15日、日本銀行に 対して無制限の緩和を求めて以来、円は対ドルで13%値下がりした。

外債購入の検討

自民党は衆院選(12月16日投開票)に向けて昨年11月に公表した経 済再生のための政策案で、金融政策の一環として政府や日銀、民間が出 資するファンドによる外債購入を検討することを盛り込んだ。

安倍首相は18日の参院予算委員会で、日本銀行が進める金融緩和政 策の手段について「国際的に議論になっている外債を買うという考え方 もある」との認識を示した。

これに対して麻生財務相は19日の閣議後の会見で、「外債を購入す る気はない」と述べ、日銀法の改正を直ちに行う考えはないと言明し た。予想外の円安については政策に伴う結果論だと述べた。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は「対円でのドルは圧迫されている」と述べ、 「ドル・円相場には多くの材料がすでに織り込まれていると考えてい る。94円を突破するのは厳しいだろう。相場は今の時点ですでに、多く の政治的な期待を反映している」と続けた。

円が15%下落

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は過去3カ月間で15%下落し、主要通貨の中で最も下げがき つい。ドルは1%安、ユーロは3.9%上昇した。

モスクワで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会 議は2日間(15-16日)の協議後に発表した共同声明に、「競争目的の ために為替レートを目標にしない」と明記した。

日本銀行は1月21、22日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を19 日に公表した。2%の物価目標を明示した同会合では、資産買い入れ等 基金で購入する長期国債の残存年限について、複数の委員が「5年程度 まで延長することも考えられる」と述べたことが分かった。さらに、金 融資産の購入について、2014年以降、期限を定めない買い入れ方式を採 用することを決めた。

原題:Yen Gains as Aso Rules Out Foreign Bond Purchases; Aussie Climbs(抜粋)

◎米国株:上昇、ダウとS&Pは5年ぶり高値-M&A期待で買い

米株式相場は上昇。主要株価指数は5年ぶり高値を記録した。企業 の合併・買収(M&A)に対する楽観的な見方に加え、ドイツ景況感指 数の改善が買いを誘った。

事務用品小売りチェーンのオフィス・デポと同業のオフィスマック スがともに急伸。両社は合併の可能性について協議しており、週内に合 意の可能性があると事情に詳しい関係者が明らかにした。バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)やシティグループなど金融株も高い。グーグル は初めて800ドルを上回った。

S&P500種株価指数は前日比0.7%高の1530.94。ダウ工業株30種 平均は53.91ドル(0.4%)上げて14035.67ドル。米証券取引所全体の出 来高は約65億株と、3カ月平均を6.5%上回った。18日はプレジデンツ デーの祝日で休場だった。

ビーコンクレスト・キャピタル・マネジメント(ボストン)の最高 投資責任者(CIO)、ケビン・ディブニー氏は電話インタビューで、 「M&Aが増え、明るい心理形成につながっている」と指摘。「それは プラス材料だ。過去4年間は経営者が先を見ないことが問題となってい た。視界が広がると、戦略的な決定がうまくいく」と語った。

S&P500種は2007年に付けた過去最高値の1565.15を2.2%、ダウ 平均は最高値の14164.53を0.9%下回る水準にある。

M&A

ブルームバーグがまとめたデータによると、米国では14日に400億 ドル近いM&Aが発表され、今月の総額は1400億ドルを超えている。こ れは2012年1-2月の総額である996億ドルを既に上回っている。

S&P500種は年初から7.3%上昇。米議会が債務問題で合意したこ とに加え、企業決算がアナリスト予想を上回っていることが背景にあ る。ブルームバーグのデータによれば、同指数構成銘柄で決算を発表し た402社のうち71%で利益が予想を上回り、66%で売上高が予想を上回 った。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた2月の独景況 感指数は予想を大きく上回る改善となり、ほぼ3年ぶりの高水準に達し た。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は1.2%低下の12.31と、2007年4月以来の水準に低下した。 S&P500種のボラティリティを示すVIXは、S&P500種が2009年 と2011年末に上昇局面に入る前に低下していた。

9業種が上昇

S&P500種では10セクターのうち9業種が上昇。特に生活必需品 とエネルギー株の上げが目立った。KBW銀行指数は0.6%上昇。 BOAは1.3%値上がりした。シティは1.5%高の44.50ドルと、2011年 5月以来の高値。JPモルガン・チェースは約4年ぶりの高値に達し た。

オフィス・デポは9.4%高、オフィスマックスは21%上昇。関係者 によると、両社は株式交換による合併を協議した。実現すれば、米最大 手ステープルズを追撃する態勢が整う。オフィス・デポは物言う株主で あるスターボード・バリューが筆頭株主になった昨年9月以来、業績改 善に向けさまざまな選択肢を探っていた。ステープルズは13%高と、 S&P500種の構成銘柄で上昇率トップ。

グーグルは1.8%高の806.85ドルと、2004年8月の上場来高値を更 新した。携帯端末を通じたインターネット利用の増加を背景に、同社ウ ェブサイトへの広告需要が増えている。

ベスト・バイは2.7%高。バークレイズのアナリスト、アラン・リ フキン氏は同社の投資判断を「イコールウエート」から、「買い」に相 当する「オーバーウエート」に引き上げた。

一方、S&P住宅建設株指数は1.2%安。構成する11銘柄のうち9 銘柄が下げた。全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファ ーゴが発表した2月の米住宅市場指数は46と、前月の47から低下した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は48へ の上昇だった。同指数で50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪 い」とみていることを示す。

原題:U.S. Stock Indexes Rise to Five-Year Highs Amid Merger Optimism(抜粋)

◎米国債:10年債利回りは2%付近で推移-FOMC議事録に注目

米国債市場では10年債利回りが4営業日連続で2%を上回った。20 日公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、刺激策を 引き揚げるタイミングをめぐり一段の詳細が示されるとの観測が広がっ ている。

景気の勢いが増しつつある兆候が見られる中、今年の米国債相場は 低調な滑り出しとなっている。ニューヨーク連銀はこの日、財務省が先 週発行した30年債を含め、14億5000万ドル相当の債券を買い入れた。こ の日はリスク選好の高まりから株式相場が上昇した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「投資家は方向性 を得られるような材料を待っている。だがそれまでは、この水準付近で 推移するだろう」とし、「株式で多少リスクオンの取引が見られた。リ スクセンチメントの改善で、米国債市場から逃避買いの動きが後退し た。非常につまらない相場展開だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.03%。一時2bp下げる場面もあった。同年 債(表面利率2%、2023年2月償還)価格は7/32下げて99 3/4。米国債 市場は前日、祝日のため休場だった。

10年債利回りは昨年12月31日以降27bp上昇。ただ10年間の平 均3.63%は下回っている。先週は5bp上げた。

30年債利回りはこの日4bp上昇の3.21%。

議事録

株式市場ではこの日、S&P500種が約5年ぶり高値に上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれ ば、10年債の年初来リターンはマイナス1.9%。米国債全体ではマイナ ス0.9%となっている。一方、株式のS&P500種株価指数は配当再投資 分を含めてプラス6.9%。

米連邦準備制度理事会(FRB)はあす20日、FOMC(1月29 -30日会合分)の議事録を公表する。1月3日に公表された昨年12月会 合分の議事録では、債券購入の終了時期を年末か、それより前にするか で意見が割れたことが明らかになった。その翌日、10年債利回りは8カ 月ぶり高水準に上昇した。

ニューヨーク連銀はこの日、2036年2月から43年2月に償還を迎え る証券を買い入れた。

タカ派とハト派

野村ホールディングスの金利戦略責任者ジョージ・ゴンキャルベス 氏(ニューヨーク在勤)氏は「タカ派から既に多くの発言が出ているこ とは知られている」とし、「どちらかと言えば、リスクはハト派がここ 6週間に一部タカ派の勢いを落ち着かせてきた可能性があることだ」と 述べた。

さらに、タカ派はFRBのバランスシートが膨張し過ぎないように 資産購入を減らしたいと考える一方、バーナンキ議長とイエレン副議長 が「その判断を下すには時期尚早だと考え、1月の会合で説得する機会 はあった。それが議事録に記される可能性はある」と分析した。

原題:Treasury 10-Year Yields Rise Above 2% Before Fed Meeting Minutes(抜粋)

◎NY金:4日続落、FOMC議事録を警戒-緩和終了を示唆との見方

ニューヨーク金先物相場は4営業日続落。米連邦公開市場委員会 (FOMC)の量的緩和第3弾終了に向けて何らかの示唆が出されると の見方から、インフレヘッジとしての金買いが鈍った。

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日にFOMC(1月29-30日 開催)の議事録を公表する。この中で、債券購入停止の時期について手 がかりが得られるとの観測が広がっている。金は先月4日、昨年8月以 来の安値に下げた。前の日に公表されたFOMC議事録(昨年12月11 -12日開催)では、資産購入を続ける期間をめぐり参加者の間で意見が 分かれたことが明らかになった。経済が回復しつつあるとの観測を背景 に、金は今年に入って4.3%下落している。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「米経済 は確実に力強さの兆しを見せており、当局が緩和措置の終了を発表する との不安が市場では広がっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前営業日比0.3%安の1オンス=1604.20ドルで終了した。

原題:Gold Drops for Fourth Session Amid Concern U.S. May End Stimulus(抜粋)

◎NY原油:反発、シーウェイの輸送量増加見通し-株高も支え

ニューヨーク原油先物相場は反発。シーウェイパイプラインの運 営会社が同パイプラインの輸送量は増えるとの見通しを示したことや、 S&P500種株価指数が5年ぶり高値となったことが手掛かり。

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズはシーウェイの輸送 量について、2-5月は平均で日量29万5000バレルになるとの見通しを 示した。1月は18万バレルだった。ニューヨーク原油先物の受け渡し地 点であるオクラホマ州クッシングでの過剰在庫縮小につながるとして、 市場では同パイプラインに注目が集まっている。

サミット・エナジーのアナリスト、ジェイコブ・コレル氏(ケンタ ッキー州ルイビル在勤)は「シーウェイでの輸送が2月は前月比で10万 バレル増え、内陸部での輸送障害が軽減されるとの見方から、原油は上 昇している」と指摘。「株式相場の堅調も原油相場に好影響を与えてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前営業 日比80セント(0.83%)高の1バレル=96.66ドルで終了。3月限は20 日が最終取引日となる。4月限はこの日、69セント高の97.10ドル。

原題:WTI Oil Gains on Forecast Crude Flow on Seaway Pipeline to Rise(抜粋)

◎欧州株:3週ぶり高値、ドイツ景況感が予想以上に改善

19日の欧州株式相場は上昇し、3週間ぶりの高値を付けた。ドイツ の景況感が事前予想以上に改善したことを好感した。フランスのヨーグ ルトメーカー、ダノンは決算要因で上昇した。

ダノンは2010年5月以降で最大の上げとなった。同社は人員削減計 画も発表した。石炭火力発電所を保有する英ドラックス・グループは4 年ぶり高値を付けた。同社利益は予想を上回った。新たな治験を始めた 独医薬品会社バイエルは3.6%上昇した。一方、英携帯電話サービスの ボーダフォン・グループは4週間ぶりの安値。サンフォード・C・バー ンスティーンが投資判断を引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%高の290.01で終了。前日まで の3営業日では0.5%下げていた。年初来の上昇率は3.7%となった。

ストアブランド・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 エスペン・ファーネス氏(オスロ在勤)はダノンの決算について、「お おむね明るい内容だった」と発言。「欧州経済は今年全般を通じて勢い を増すと見ている。これに他の地域のまずまずの成長が加わることで、 欧州株には長期的に上昇の余地がまだあるということになる」と続け た。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した2月の期待指 数は48.2と、前月の31.5から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト38人の予想中央値(35.0)も大きく上回り、2010年4月 以来の高水準となった。

この日の西欧市場ではアイスランドを除く17カ国で主要株価が上昇 した。英FTSE100指数は1%上げ、5年ぶり高水準に達した。

原題:European Stocks Rise as German Sentiment Improves; Danone Jumps(抜粋)

◎欧州債:スペイン債上昇、ドイツ景況感改善で高利回り債に買い

19日の欧州債市場ではスペイン国債が上昇し、10年債利回り は2週間ぶりの低水準に近づいた。ドイツで景況感が改善し、高利回 り債を求める動きが強まった。

スペイン2年債は4営業日ぶりに上昇。計40億ユーロの3カ月 物と6カ月物の証券入札で、落札利回りが前回入札を下回った。10 年債入札を翌日に控えたドイツの国債はほぼ変わらず。ベルギーは銀 行団を通じて5年債を週内に発行する。エコノミスト調査によると、 20日公表されるユーロ圏消費者信頼感は改善する見通し。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 (ロンドン在勤)は「強い内容の経済データが出てくるようになり、 景況感指数に対する期待は高まっている」と発言。「スペインとイタ リア国債は下げから反転した」と語った。

ロンドン時間午後4時3分現在、スペイン10年債利回りは前日 比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.19%。 14日には5.16%まで下げ、1日以来の低水準となった。同国債 (表面利率5.4%、2023年1月償還)価格はこの日、0.315上げ

101.58。同年限のイタリア国債利回りは1bp低下の4.40%。一 時は5bp上げた。

ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が発表した2月の期待 指数は48.2と、前月の31.5から上昇。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト38人の予想中央値(35.0)も大きく上 回り、2010年4月以来の高水準となった。

ドイツ10年債利回りは1.62%。8日には1.58%と、先月 25日以来の低水準を付けた。

英国債

英国債市場では2年債と10年債の利回り格差が一時、ほぼ11 カ月ぶりの大幅に拡大した。英国は今週、長期債を発行する。

ロンドン時間午後4時35分現在、10年債利回りは1bp低下 の2.19%。14日には2.27%と、昨年4月2日以来の高水準を付 けた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、

0.09上げ96.275。2年債との利回り格差はほぼ変わらずの188 bp。3月20日以来の最大となる190bpまで拡大する場面もあ った。

原題:Spanish Bonds Gain as German Confidence Boosts Demand for Yield(抜粋) U.K. Yield Curve Widens to Steepest in 11 Months; Pound Weakens(抜粋)

原題:Spanish, Italian Bonds Poised for Weekly Gains as Bunds Decline (抜粋) Pound Has Steepest Weekly Drop Since June as Retail Sales Slide (抜粋)