コーエン氏が危うい供述、法令順守無関心-SECが訴訟利用も

米ヘッジファンド会社SACキャピ タル・アドバイザーズの創業者、スティーブン・コーエン氏が2011年に 行った宣誓証言の供述記録の提出を米当局が求めている。インサイダー 取引のコンプライアンス(法令順守)に関する宣誓供述の内容は、訴訟 の回避を目指す同氏にとって打撃となりかねない。

インサイダー取引への関与が取り沙汰されているSAC(運用資 産140億ドル=約1兆3100億円)を監督当局が提訴した場合、同社は廃 業に追い込まれる危険がある。

米証券取引委員会(SEC)は昨年11月20日、証券詐欺と社員に対 する監督義務不履行でSACの提訴を検討していると通告。SECは同 じ日、SACの元ポートフォリオマネジャーとヘッジファンド部門がイ ンサイダー取引に関与し、コーエン氏(56)が違法取引で7億ドルを稼 ぐよう仕向けたと指摘した。検察当局は元ポートフォリオマネジャーの マシュー・マートマ被告を起訴した。

ブルームバーグ・ニュースが確認した供述記録は、コーエン氏がこ のCRイントリンシック部門を個人的に管理していたことや、SACの インサイダー取引に関する法令順守・倫理指針をよく承知していなかっ たことを裏付ける内容だ。同氏は「法令順守マニュアルを読んだことは あるが、何が書いてあったか正確には覚えていない」と発言した。

コーエン氏の宣誓供述は、フェアファクス・ファイナンシャル・ホ ールディングスが空売りをめぐってSACに損害賠償を求めた訴えを裁 判所が退ける一因となった。しかし、監督義務を怠っていた事実を立証 したい監督当局に格好の材料を提供することになる。

コロンビア大学法科大学院のジョン・コフィー教授(証券法)は 「危険な供述内容だ。法令順守マニュアルの内容を把握していなかった という事実は、SECの訴訟にとって有益だ」と指摘している。

原題:Cohen’s SAC Deposition May Hurt Bid to Avoid SEC Insider Lawsuit(抜粋)

--取材協力:Anthony Effinger、Saijel Kishan、Katherine Burton.