JIN田中社長:売上高1000億円前倒し達成へ-時価総額1兆円照準

パソコンの光から目を守る眼鏡を開 発したジェイアイエヌ(JIN、東京都渋谷区)の田中仁社長(50) は、国内や海外店舗の増加により、売上高1000億円の目標を前倒しで達 成する見通しを示した。

2018年8月期までの5年間で1月末で177店ある国内店舗を500店 に、中国では10倍の100店まで増やす。これにより現行計画で20年8月 期としていた売り上げ目標は2年早く達成する見込み。国内市場は縮小 傾向にあるが、パソコン用眼鏡などを武器に事業拡大を目指す。さらに ドイツなど欧州や米国への進出も検討しており、今後3-5年で米国で 1号店を出店する意向。

創業者の田中氏は14日、ブルームバーグ・ニュースのインタビュー で、「ショッピングセンターなどに出店する」ことなどで国内の店舗数 拡大を図るとしたほか、中国では「出店依頼が増えており、既存店も伸 びていて手応えがある」と述べ、目標の早期達成に自信を示した。

岩井コスモ証券の岩崎彰シニアアナリストは「パソコン用眼鏡のヒ ットが一時的という見方がある」と説明。目標達成のためには、次々と 新商品を出す必要がある、と述べた。また海外展開の課題として、知名 度向上を挙げた。

JINは1988年、前橋市で設立。さまざまなデザインと色が楽しめ る軽量眼鏡「エアフレーム」や、パソコンから発生するブルーライトか ら目を守る眼鏡が大ヒットした。12年8月期の販売本数は09年8月期の 4倍超の350万本、売上高は3倍の226億円。時価総額は現在約900億円 と06年の上場時の10倍に拡大した。

田中氏はまた「米国は人口が日本の3倍の3億人、個人資産も巨大 でマスから富裕層まで懐が大きい」として、欧米進出で収益を拡大さ せ、将来的に現在の10倍超となる1兆円の時価総額を目指す方針も明ら かにした。国内企業で時価総額1兆円を超えるのはトヨタ自動車や任天 堂、ダイキン工業など約70社だが、この仲間入りが目標。

洋服と同じように

都内にある店舗の一つ「新宿ミロード店」(東京都新宿区)では16 日の夕方、子供連れの家族やカップルなど約50人が、パソコンや花粉症 対策用の色とりどりの眼鏡を試着するなど賑わいを見せていた。田中氏 は、一代で時価総額1兆円超の企業を築いたファーストリテイリングの 柳井正会長兼社長を意識し、洋服と同じように「眼鏡をしなければ裸で いるのと一緒だという世界をつくりたい」と語り、需要の掘り起こしを 目指していく考えだ。

「眼鏡DB(データベース)2012」(眼鏡光学出版)によると、眼 鏡関係の国内小売り市場は、02年の5863億円から11年には4622億円まで 減少した。同社の美濃部隆社長(56)は「価格の下落や人口の減少に加 え、コンタクトやレーシック手術などの普及」を理由に挙げた。その上 で「PCや花粉対策などの機能性やファッション性のある眼鏡の販売が 日本の市場を拡大する鍵になる」とし、今後は自転車やランニングとい ったスポーツの種目別の眼鏡などに需要が出てくると述べた。

JINの株価は、午前の取引でブルームバーグ・ニュースの報道後 に急騰。一時、前日比14%高の4165円と、上場来高値を更新した。終値 は同8.9%高の3975円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE