昭シェル:発電能力倍増し100万kW、収益目標示さず-中経

昭和シェル石油は18日、電力事業の 強化などを含んだ2017年度までの中期経営計画を発表し、発電設備の能 力を現状の約50万キロワットから100万キロワット(自社持分)に倍増 する方針を示した。

長引く原発の停止で電力供給がひっ迫していることから、昭和シェ ルは需給の安定化に貢献することで、電力事業を石油や太陽電池に次ぐ 事業の柱に育成したい考えだ。

都内で会見した香藤繁常会長は、これまでは原油精製の副産物の活 用手段だった発電事業を「これからは電力供給の確保という観点でやっ ていく」と話した。

同社は現在、京浜製油所や四日市製油所などで精製の過程で出る複 製ガスを利用して発電し自社での消費のほか電力会社に販売している。 東京ガスと共同で運営する扇島パワーステーション(神奈川県横浜市) では天然ガスを利用した発電を行っており、現在3号機(同40万7100キ ロワット)を建設しているほか、新潟県や宮崎県で太陽光発電も行って いる。今後は天然ガスやソーラー、副生ガスに加え、バイオマスを利用 した発電にも取り組む。

同社は11年に京浜製油所扇町工場を閉鎖した。会見に同席した新井 純社長は跡地を今後の発電事業拡大のための候補地として検討している ことを明らかにした。100万キロワットという目標の達成時期について は「リードタイムが必要で今後5年では難しい」とし、5年の間に計画 にめどをつける方針だと語った。

不透明感強く目標は示さず

同社は09年に発表した10-14年度の中期経営計画で、棚卸し資産の 影響を除いた14年度の経常利益目標として「石油事業500億円+太陽電 池事業500億円」という数字を示した。今回はそういった目標の発表を 見送った。新井氏は「経営環境、マーケット環境に不透明感が強く、今 後どのような競争環境になっていくのか見えない」と説明。目標を示す よりも「実績を示すのが肝要だ」と語った。

石油事業では、石油精製会社としての強みを生かし、繊維や樹脂の 原料となる芳香族分野を強化する方針で、アジア太平洋地域で事業の拡 大を狙う。他の石油元売りとの業務提携を視野に入れて石油事業を強化 することも検討しており、新井氏は「合理的な提携を組める場合は是々 非々でやっていきたい」と話した。提携する相手や具体的な方法、さら に他社との経営統合の可能性などについては「白紙だ」と述べるにとど めた。

--取材協力:渡辺千咲 Editors: 淡路毅, 小坂紀彦