債先は小幅続伸、超長期債買い-円安・株高重しも一段の円安に懐疑的

債券市場で先物相場は小幅続伸。一 段の円安進行に懐疑的な見方が強く、午後に入って、超長期債などを中 心に買いが優勢となる中、午前は安く推移していた先物がプラス圏に値 を戻した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、相場について、 「G20会議を無難に通過し、株価・為替はリスクオン(選好)の動きと なっているものの、どんどん円安に行っても良いというわけではない。 これ以上の円安は見込みづらくなっており、これまで円安で売りが出て いた超長期債に見直し買いが入っている」と指摘した。

東京先物市場で中心限月の3月物は小幅続伸。午前は、20カ国・地 域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を通過し、円安・株高基調が継続 していることが重しとなり、前週末比5銭安の144円18銭で始まった。 一時は14銭安の144円09銭まで下落したものの、午後に入ってから超長 期債に買いが入ったことなどが相場の支えとなり、144円30銭まで上昇 した。結局、4銭高の144円27銭で引けた。

現物債市場では、超長期債に買いが入った。新発20年物141回債利 回りは前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.735%に低下し、1 月24日以来の低水準をつけた。新発30年物37回債利回りは2bp低 い1.91%まで一時低下し、昨年12月13日以来の低水準をつけた。

長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回りは、0.5bp高 い0.75%で始まった後、若干水準を切り上げ、一時1bp高い0.755%を つけた。その後は、徐々に水準を切り下げ、横ばいの0745%で推移して いる。

モスクワで開かれたG20会議は、「競争力のために為替レートを目 的としない」ことなどを明記した共同声明を採択して16日に閉幕した。 日本を名指しすることは避けながらも、3カ月前の会合で合意した声明 よりも強い表現となった。

みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、「G20声明は 現在の円安政策が追認された格好で、債券市場にはポジティブな要因で はない」と指摘した。もっとも、「金融緩和を行う方向性は支えとなる だろう」とも語った。バークレイズ証券の徳勝礼子シニア債券ストラテ ジストは、「G20声明では、日本に対して強い言い方はしておらず、G 7声明と基本的には大きく変わっていない」と話した。

18日の外国為替市場では、円は米ドルに対し、一時1ドル=94円22 銭の円安・ドル高水準を付けた。先週末15日の円安値は93円84銭だっ た。国内株式市場で日経平均株価は大幅反発。前週末比234円04銭高の 1万1407円87銭で取引を終了した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「金利上昇局面に おける押し目買い意欲が強いことが債券売りを抑制している。G20後の 初期反応は円安・株高となったが、今後の円安けん制など考えると、円 安進展やこれに伴う一段の株高は見込みづらい」と説明した。

中期債は、5年債入札を翌日に控えて重たい展開。新発5年物107 回債利回りは0.5bp高い0.145%で始まった後、同水準で推移している。

財務省はあす19日、5年債入札を実施する。クーポンは前回債よ り0.1ポイント低下の0.1%か、前回債と同じ0.2%となる見込み。0.1% で決まれば過去最低となる。新発5年債利回りは7日に2000年の発行開 始以来で最低の0.135%を記録した。発行額は前回債から2000億円増の 2兆7000億円程度。

バークレイズ証券の徳勝氏は、「5年債利回りは過去最低からは若 干水準を切り上げているものの、もう少し戻しても良い感じ。預金コス トなどを考慮すると、現行水準では買いインセンティブは小さい。2年 債は付利引き下げの思惑で買われたものの、円相場に敏感な状況下で は、先行き不透明」と分析した。

半面、大和住銀の伊藤氏は、「あすの5年債入札は無難か。2年債 利回りが0.35%程度で、5年債利回りとの格差があるため、ローリング 効果(債券を保有し続けることにより、自然に利回りが低下すること) が高く、現行水準でも買う投資家はいると思う」と語った。

15日の米国債相場はもみ合いとなり、米10年国債利回りは横ばい の2.00%程度。一方、米国株も横ばい圏。S&P500種株価指数は前日 比0.1%安の1519.79。

--取材協力:. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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