G20、日本の景気刺激策を支持-明白な円安誘導にはくぎ刺す

20カ国・地域(G20)財務相らは、 日本があからさまな円安誘導をやめる限り、安倍政権が景気刺激策を継 続していくことを支持するメッセージを伝えた。

G20財務相・中銀総裁会議はモスクワで2日間の討議後に発表した 共同声明で、「競争目的のために為替レートを目標にしない」と明記し た。しかし、日本は円安を容認しているとの名指し批判を回避し、デフ レ脱却策への取り組みで支持を取り付けた。

ブラジルのマンテガ財務相は会議後に記者団に対し、「日本の姿勢 への非難はなかった。意図的な通貨の引き下げではなく、経済を発展さ せる政策だと見なされた」と説明。韓国の朴宰完企画財政相は「為替レ ートの特定の水準を示唆するコメントは慎重に行われるべきだ」と語っ た。

円が年初以降、対ドルで7%下落し日本が通貨戦争を始めていると の懸念が高まったため、G20は為替レートに関して一段と強い立場を打 ち出した。徹夜討議でまとまった共同声明を受けて、日本は円安を明白 な目標にしないようくぎを刺されながらも、経済再生を自由に進めるこ とが可能になった。

為替操作なし

アシュモア・インベストメント・マネジメントの調査共同責任者、 ジャン・デーン氏は16日の電話インタビューで、今回の声明を受けて円 は目先、先週末に付けた1ドル=93円50銭からさらに下落を続ける公算 が大きいと予想。G20が言っているのは「日本による為替レートの操作 はなく、日本の行動は全て、国内成長の促進を狙ったものだと解釈され た」と指摘した。

首相が15年にわたるデフレの脱却と経済再生に向けて一層の緩和策 に取り組んでいるのに伴い、円安が進行した。昨年12月の安倍政権発足 後、日銀は2%のインフレ目標を受け入れ、2014年から期限を定めずに 資産を購入する方式を導入した。

日本の当局者はモスクワでのG20会議で、円相場を押し下げている との見方を否定し、円安は経済再生に向けた努力の副産物であり、日本 経済の回復は貿易相手国に恩恵をもたらすと訴えた。

麻生太郎財務相は15日にブルームバーグテレビジョンに対し、政策 を堅持する考えを示すとともに、円安は結果として起きたものであって 目標ではないと明言。目標はリセッション(景気後退)とデフレからの 脱却だと指摘し、日本の回復は世界経済に好影響をもたらすとの認識を 示した。

波及効果

日銀の白川方明総裁は、同中銀の措置は物価安定を通じて力強い経 済を達成することを目標としてきたし、今後もそうあり続けるとの認識 を示し、G20声明は日銀の金融政策と全く同じ精神だとした。

ブラジルのマンテガ財務相ら新興国当局者からは、金融刺激策がド ル安・新興国通貨高を招いたとの批判も出ている。G20はこうした不満 に対応し、「負の波及効果」を監視して最小化するととともに、金融政 策は常に国内のニーズに向けられるべきだとの立場を共同声明に盛り込 んだ。

安倍首相を含め日本の当局者はこれまで、円相場について公然と発 言してきたことから、日本が円安を歓迎し、円安が景気回復戦略の一端 を担っているとの見方が高まっていた。安倍首相に近い自民党の山本幸 三元経済産業副大臣は14日、1ドル=95円から100円程度が適正水準と の見方を示した。

ブレイナード米財務次官(国際問題担当)はモスクワでのスピーチ で「通貨に関する軽々しい発言」をけん制した。

原題:G-20 Signals Support for Japan Stimulus Without Yen ’Loose Talk’(抜粋)

--取材協力:Stepan Kravchenko、Jeff Black、Rainer Buergin、Henry Meyer、Ilya Arkhipov、Scott Rose、Paul Abelsky、Olga Tanas、Ian Katz、Gonzalo Vina、Cynthia Kim、Feiwen Rong、Ryan Chilcote、Jason Scott、Theophilos Argitis.