G20声明:競争力で為替レート目的とせず-日本名指し回避

20カ国・地域(G20)の財務相は16 日、各国が為替レートに影響を与えようとしないよう一段と強い姿勢を 示し、日本を名指しすることは避けながらも、世界的な通貨戦争の観測 の抑制に努めた。

G20財務相・中央銀行総裁会議は2日間のモスクワでの協議の後、 「競争力のために為替レートを目的としない」ことなどを明記した共同 声明を採択して閉幕した。声明は3カ月前の会合で合意した声明よりも 強い表現となり、日本の当局者は公の場での円相場に関する発言で圧力 を受けた。

円相場が対ドルで2010年以来の安値近くで推移する中、政策当局者 は一部の国々が輸出を通じた成長促進のために為替相場を弱くしようと 試みているとの懸念緩和に努めている。

INGグループの為替調査責任者クリス・ターナー氏は、新たなコ ミットメントは恐らく、日本に対して望ましい水準として特定の円相場 に言及すべきでないと告げることを狙っていると指摘。円相場は週明け に上昇する可能性があるが、日銀が緩和政策を維持するため、すぐに1 ドル=100円に向けて再び下落するだろうと予想した。

日本は円相場の押し下げを否定

安倍晋三首相がデフレ脱却を目的に一段の金融緩和を求める中で、 円相場は年初来約7%下落しており、日本は円安誘導を行っているとの 疑いを受けていた。

日本の当局者はモスクワで、円相場の押し下げを否定。円安は同国 経済を復活させようとする取り組みの副産物だと強調した。

日銀の白川方明総裁は16日、G20財務相・中央銀行総裁会議の終了 後の記者会見で、「あくまでも日銀の金融政策は物価の安定を通じて国 民経済の健全化の発展に資する」ことだと語った。

こうした日本のスタンスはモスクワで支持された。ブラジルのマン テガ財務相は「日本の姿勢は意図的に通貨を切り下げるものではなく、 経済を発展させる政策とみなされ、それへの非難はなかった」と言明し た。

G20声明では各国が市場が決定する為替レートに「一層迅速に移 行」し、「通貨の競争的な切り下げを回避する」ことも確認された。

また、世界経済に関してはリスクが後退したが、成長は弱過ぎ、失 業率は多くの国々で高いままだとの認識が示された。

原題:G-20 Takes Harder Line on Currencies Without Singling Out Japan(抜粋)

--取材協力:藤岡 徹、Ilya Arkhipov、Scott Rose、Paul Abelsky、Olga Tanas、Theophilos Argitis、Ian Katz、Gonzalo Vina、Feiwen Rong、Raymond Colitt、Henry Meyer、Simon Kennedy.