2月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円下落、G20が日本を名指しで批判との観測後退

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで4日ぶりに下落。20カ 国・地域(G20)の共同声明には、為替レートを政策の目標にすべきで はないとした主要7カ国(G7)声明の内容は盛り込まれていないと、 G20構成国の当局者1人が明らかにした。

G20が日本を公然と批判することはないとの見方を背景に、円は週 間ベースでも対ドルで下落。年初からは7.2%値下がりしている。16日 に公表されるG20共同声明の最新の草稿では、通貨の切り下げ競争を回 避し為替レートを市場の決定に委ねるよう呼び掛ける。同当局者は匿名 で語った。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム 氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話インタビューで、 「共同声明はおおむね市場が予想していたとおりで、日本を名指しする ことはなく、為替レートを市場に決定させるという内容だ」と指摘。 「市場はまだ一段の円安を見込んでいる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.7%安の1 ドル=93円50銭。一時は0.7%上昇する場面もあった。週間では0.9%下 落。円は対ユーロでは0.7%安の1ユーロ=124円96銭。一時は122円90 銭と、1月30日以来の高値を付けた。ユーロは対ドルでほぼ変わらずの 1ユーロ=1.3360ドル。一時は1月24日以来の安値水準となる1.3306ド ルに下落した。ユーロは対ドルで週間でもほぼ変わらず。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、円は過去3カ月間に16%下落し、値下がり率トップとなってい る。ドルは1.3%安、ユーロは3.7%上昇した。

市場による為替レート決定を再確認へ

G20共同声明の最新草稿には、為替レートを政策の目標にすべきで はないとした主要7カ国(G7)の今週の声明内容は盛り込まれていな い。昨年11月のG20声明と同様、市場で決定される為替レートシステム への移行を呼び掛けるという。

G7はいわゆる通貨戦争の阻止を目指して今週、為替相場を政策の 目的としないとの声明を出したが、日本の政策を容認するのかどうかで 解釈が分かれ市場が混乱した。

ロシアのストルチャク財務次官は15日、G20共同声明には「通貨戦 争」という表現は盛り込まれず、同国が日本に関する単独の声明を出す こともないと語った。

「太鼓判」

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「為替レートを目標 にすることに対する直接的な言及がなければ、市場はG20がこれまでの 円安進行を気にしていないと解釈するだろう」と指摘。「日本で起きて いることに太鼓判を押しているようなものだ」と述べた。

安倍晋三首相は日本銀行の次期総裁を近く指名する見通しで、数日 中に最終決定を下す可能性があると、ロイター通信が報じた。

原題:Yen Weakens Versus Dollar Amid Wagers G-20 Won’t Criticize Japan(抜粋)

◎米国株:S&P500が小幅安、ウォルマートで消費に不安

米株式市場ではS&P500種株価指数が小幅安。4日ぶりの反落 となった。ウォルマート・ストアーズが大きく下げた。この日の経済 指標は強弱まちまちとなった。

ウォルマートは2.2%安。2月の売り上げは非常に低調な滑り出し となったとの社内文書が嫌気された。計測器大手アジレント・テクノロ ジーズは5.2%安。通期予想の下方修正が嫌気された。一方でメディア のCBSは4%高。ライセンス収入の増加見通しや自社株買いの拡大が 好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の1519.79。ダウ工業株30種 平均は8.37ドル(0.1%未満)上げて13981.76ドル。18日はプレジデン ツデーの祝日で休場となる。

ナショナル・ペン・インベスターズ・トラストの運用担当者テリ ー・L・モリス氏は、ウォルマートの売り上げ減速は「ウォール街が望 んでいたほど消費者の購買準備が整っていない可能性があることを示唆 している」と指摘。「市場は現実を上回る成長を想定して若干行き過ぎ ているのかもしれない」と続けた。

ミシガン大学消費者マインド指数は3カ月ぶり高水準に上昇し、ニ ューヨーク連銀管轄区の製造業景況指数は予想外にプラスとなった。

一方、1月の米鉱工業生産指数は市場予想に反して低下した。同指 数は昨年11、12月と続けて上昇し、2カ月の上げとしては過去30年で最 大となっていたことから、1月はその反動が出た可能性がある。

G20財務相・中央銀行総裁会議

15日モスクワで開幕したG20財務相・中央銀行総裁会議では、為替 問題で共通の理解を見いだすための話し合いが始まった。議長国を務め るロシアは、各国政策当局者に為替操作反対でより強い決意を示すよう 促すことで世界的な通貨戦争を阻止したい考えだ。

米国では予定されている自動的な歳出削減を回避するための対応の 期限が迫りつつある。上院の民主党議員は14日、自動的な歳出削減を先 延ばしするための1100億ドル規模の計画を明らかにした。同計画は、一 律の自動的歳出削減の代わりに、国防費の削減と農家への直接支払いの 停止、高額所得者に最低30%の実効税率を課す「バフェット・ルール」 の採用を行う内容。

オッペンハイマーのチーフ市場ストラテジスト、ジョン・ストルツ ファス氏は「現時点では、投資家は動かずに考えたいようだ」とし、 「3月1日の期限をにらみながら、多少の下向きバイアスがかかるかも しれない」と述べた。

S&P500種は週間では0.1%上昇し、これで7週連続高と、2011年 1月以来の長期上昇局面となった。同指数は年初来では6.6%上昇、09 年3月に付けた底値からは2倍以上となっている。

ウォルマートが安い

この日はS&P500種の業種別10指数のうち4指数が低下。エネル ギーと金融の指数が最も下げた。シカゴオプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数(VIX)は1.6%低下し12.46。

小売り最大手のウォルマートは1.52ドル下げて69.30ドル。同社の 財務・物流担当バイスプレジデント、ジェリー・マレー氏は、他の幹部 に宛てた12日付の電子メールで、「2月の月初来の売上高はかなりひど い状況だ」と指摘した。メールはブルームバーグ・ニュースが入手し た。

アジレントは2.33ドル値下がりし42.25ドル。CBSは1.70ドル上 昇し44.64ドル。

原題:U.S. Stocks Retreat as Wal-Mart Tumbles Amid Economic Reports(抜粋)

◎米国債:週間で下落、統計で景気回復への期待が強まる

米国債は下落。ニューヨーク連銀管轄区の製造業生産活動が予想外 に拡大を示したほか、米消費者マインド指数も上昇したことから、米国 経済が勢いを取り戻しているとの見方が広がった。

ニューヨーク連銀が発表した同連銀管轄区の製造業景況指数は2012 年5月以来で最も高い水準となった。この統計の発表後、10年債利回り は2%を突破した。2月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マ インド指数(速報値)は3カ月ぶりの高い水準だった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「経済統計は景気の回 復を示唆している。しかし回復のペースは加速しているわけではなく、 引き続き緩やかだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上げて2%。週間ベースでは5bp上げた。同年債 (表面利率2%、2023年2月償還)価格は1/32下落して99 31/32。

2月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速 報値)は76.3と、前月の73.8から上昇した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は74.8だった。

10年債先物のネットロング

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど 大口投資家の間では10年債先物が上昇するとの見方が強まった。12日に 終了した1週間で10年債先物のネットロング(買越幅)は5万1549枚。 買越幅は前週比で4643枚増加した。一方、30年債先物のショートポジシ ョンは減少。売越幅(ネットショート)は2万3679枚と、先週比5226枚 の減少だった。

経済成長の兆候が示され、投資家が再び楽観的な見方を強めている ものの、世界的に金融市場で再び混乱が生じているほか、米国の景気回 復が腰折れする可能性があるとの懸念から米国債には引き続き逃避需要 がある。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「市場では国債 に対して弱気な見方が圧倒的なようだが、利回りが2.06%に上昇すれば それなりに買いが入る」と述べた。

米財務省が発表した昨年12月の対米中長期証券投資によると、米国 債の保有額では中国が引き続き世界最大で前月比197億ドル増加の1 兆2000億ドル。2位の日本は前月比25億ドル増の1兆1200億ドルだっ た。海外投資家による米国債投資は299億ドルの買い越し。買越額は前 月の264億ドルから拡大した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債リターンは年初から0.9%のマイナス。ブルームバーグがま とめたアナリスト予想によると、10年債利回りは第4四半期には2.33% に上昇するとみられている。

ピアナルト総裁

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は、月額850億ドルの債券購 入による効果は薄れる可能性があるとの認識を示した。

ピアナルト総裁は15日、フロリダ州フォートマイヤーズでの講演で 「時間とともに、当局による資産購入の効果は弱まる可能性がある」と 発言。

同総裁は「現在の金利が低水準にあることを考慮すれば、この先の 資産購入は過去に見られたほど金融状況を大きく緩和しない可能性があ る」とし、「同時に、現実に金融状況が緩和しても、過去に見られたよ うに経済を浮揚させない可能性もある」と述べた。

原題:Treasuries Post Weekly Drop as Economic Reports Suggest Momentum(抜粋)

◎NY金:続落、一時1600ドル割れ-米統計受け逃避需要が減退

ニューヨーク金先物相場は続落。一時は昨年8月以来初めてオン ス当り1600ドルを割り込んだ。米経済に対する楽観が強まったこと から、価値保存手段としての金の需要が減退し た。

2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は予想外に拡大したほか、 米消費者マインド指数は3カ月ぶりの高水準となった。資産家のジョー ジ・ソロス氏とルイス・ムーア・ベーコン氏は、金に裏付けされた上場 取引型金融商品(ETP)の持ち分を2012年10-12月(第4四半期)に 減らしたことが、米政府への届け出で明らかになった。S&P500種株 価指数は年初から6.3%上昇、金は同期間に4%値下がりしている。

ペンション・パートナーズでファンドのチーフ投資ストラテジス ト、マイケル・ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、 「経済は回復しつつあり、株価は上昇している。そのため金は敬遠され ている」と指摘。「安全逃避資産への投資は選好されていない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1.6%安の1オンス=1609.50ドルで終了。一時は1596.70 ドルと、中心限月としては昨年8月15日以来の安値をつけた。週間で は3.4%安と、昨年6月以来の大幅下落。

原題:Gold Falls Below $1,600 on U.S. Consumer, New York Factory Data(抜粋)

◎NY原油:反落、米鉱工業生産の低下とユーロ圏の輸出減で

ニューヨーク原油先物相場は反落。米鉱工業生産指数が予想外に 低下し、ユーロ圏の輸出が5カ月ぶりの大幅な減少を記録したため、 燃料需要が減退するとの懸念が高まった。

1月の米製造業の生産指数が低下し、昨年12月のユーロ圏の輸出は 減少した。ウォルマート・ストアーズの2月の売り上げがかなり悪い滑 り出しになったとのニュースで株価が下げると、原油相場は午後にこの 日の安値を付けた。

アイアイトレーダー・ドット・コムの市場担当シニアストラテジス ト、ビル・バルーク氏(シカゴ在勤)は「鉱工業生産の低下と欧州のデ ータが原油相場を圧迫し続けている」と指摘。「原油相場は98ドル前後 で壁に当たった。これは主要な抵抗線で、注目の高い水準だ」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.45ドル(1.49%)安の1バレル=95.86ドルで終了。週間では14セ ント上げた。

原題:Crude Drops on U.S. Industrial Production, Euro-Area Exports(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、決算やG20会議を注視-LSE安い

15日の欧州株式相場はほぼ変わらず。この日はPPRやアケル・ ソリューションズなどが決算を発表。市場はモスクワで開催中の世界 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に注目している。

高級ブランド「グッチ」などを傘下に置くフランスのPPRは上 昇。利益が予想を上回ったことを好感し、11年ぶり高値を付けた。一 方、ノルウェーの石油サービス会社アケルは2009年4月以降で最大の値 下がり。第4四半期純利益がアナリスト予想に届かなかったことが売り 材料。ロンドン証券取引所(LSE)グループは4%安。傘下LCHク リアネットの2012年業績が弱かったと、RBCキャピタル・マーケッツ が指摘した。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の287.34で終了。年初来で は2.7%上げている。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデン ト、ジョン・プラサード氏は「欧州と米国の相場の上昇局面を経て、こ れを消化し、政治に焦点を戻し始める段階に入ったようだ」と発言し、 「通貨戦争をめぐる議論が活発な中、モスクワのG20会議が注目されて いる」と続けた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日のストックス欧 州600構成銘柄の売買高は30日平均を23%下回る水準だった。

15日の西欧市場では18カ国中8カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Are Little Changed; LSE Declines on LCH Earnings(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債、上昇-ドイツ債は下落

15日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が上昇し、週 間でもプラスとなった。今月下旬のイタリア総選挙やスペインの ラホイ首相の汚職疑惑にもかかわらず、両国の国債に対する需要は根 強いとの楽観が高まった。

スペイン10年債利回りは週間ベースで、1月4日終了週以降で最も 低下した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は12日、同国が改革の 取り組みで「大きな進展」を遂げたと発言。ラホイ首相も「数週間以 内」に公表のデータが「かつてない財政健全化の進展」を示すと語っ た。安全資産を求める動きは後退し、ドイツ国債は今週下げた。

RIAキャピタル・マーケッツ(エディンバラ)のストラテジス ト、トーマン・ラーマン氏は「鍵となったのは、スペインが緊縮実行で いかに進展したかを高く評価したドラギ総裁の発言だった」と指摘。 「イタリアで選挙に関する追加ニュースがなかったことも国債には朗報 だった。平穏な期間だったので、相場もそれほど変動しなかった」と付 け加えた。

ロンドン時間午後4時47分現在、スペイン10年債は前日比1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下し5.19%。前週末比では18b p下げた。同国債(表面利率5.4%、2023年1月償還)価格はこの 日、0.055上げ101.61となった。

同年限のイタリア国債の利回りは3bp低下の4.38%。8日以降 は18bp下げた。

ドイツ10年債利回りは前日比1bp上昇し1.65%。週間では4bp 上げた。

英国債相場は前日からほぼ変わらず。10年債利回りは2.19%。一時 は6bp下げ2.13%となった。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償 還)価格は96.21。

原題:Spanish, Italian Bonds Poised for Weekly Gains as Bunds Decline (抜粋) Pound Has Steepest Weekly Drop Since June as Retail Sales Slide (抜粋)