米国債:週間ベースで下落、統計で景気回復への期待が強まる

米国債は下落。ニューヨーク連銀管 轄区の製造業生産活動が予想外に拡大を示したほか、米消費者マインド 指数も上昇したことから、米国経済が勢いを取り戻しているとの見方が 広がった。

ニューヨーク連銀が発表した同連銀管轄区の製造業景況指数は2012 年5月以来で最も高い水準となった。この統計の発表後、10年債利回り は2%を突破した。2月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マ インド指数(速報値)は3カ月ぶりの高い水準だった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「経済統計は景気の回 復を示唆している。しかし回復のペースは加速しているわけではなく、 引き続き緩やかだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上げて2%。週間ベースでは5bp上げた。同年債 (表面利率2%、2023年2月償還)価格は1/32下落して99 31/32。

2月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数(速 報値)は76.3と、前月の73.8から上昇した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は74.8だった。

10年債先物のネットロング

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど 大口投資家の間では10年債先物が上昇するとの見方が強まった。12日に 終了した1週間で10年債先物のネットロング(買越幅)は5万1549枚。 買越幅は前週比で4643枚増加した。一方、30年債先物のショートポジシ ョンは減少。売越幅(ネットショート)は2万3679枚と、先週比5226枚 の減少だった。

経済成長の兆候が示され、投資家が再び楽観的な見方を強めている ものの、世界的に金融市場で再び混乱が生じているほか、米国の景気回 復が腰折れする可能性があるとの懸念から米国債には引き続き逃避需要 がある。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「市場では国債 に対して弱気な見方が圧倒的なようだが、利回りが2.06%に上昇すれば それなりに買いが入る」と述べた。

米財務省が発表した昨年12月の対米中長期証券投資によると、米国 債の保有額では中国が引き続き世界最大で前月比197億ドル増加の1 兆2000億ドル。2位の日本は前月比25億ドル増の1兆1200億ドルだっ た。海外投資家による米国債投資は299億ドルの買い越し。買越額は前 月の264億ドルから拡大した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債リターンは年初から0.9%のマイナス。ブルームバーグがま とめたアナリスト予想によると、10年債利回りは第4四半期には2.33% に上昇するとみられている。

ピアナルト総裁

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は、月額850億ドルの債券購 入による効果は薄れる可能性があるとの認識を示した。

ピアナルト総裁は15日、フロリダ州フォートマイヤーズでの講演で 「時間とともに、当局による資産購入の効果は弱まる可能性がある」と 発言。

同総裁は「現在の金利が低水準にあることを考慮すれば、この先の 資産購入は過去に見られたほど金融状況を大きく緩和しない可能性があ る」とし、「同時に、現実に金融状況が緩和しても、過去に見られたよ うに経済を浮揚させない可能性もある」と述べた。

原題:Treasuries Post Weekly Drop as Economic Reports Suggest Momentum(抜粋)