【日本株週間展望】調整、伊選挙控え欧州に視線-円安一服も

2月第3週(18-22日)の日本株相 場は、調整色を強めそうだ。昨年11月以降の急速な円安・株高の動きに 一服感が見え、イタリアの総選挙を前に為替、株式市場参加者の視線も 欧州に向きやすく、欧州債務問題の再燃を警戒する格好で買いが手控え られる。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「足元 の上昇相場は一段落している印象で、いったん調整局面に入るタイミン グ」と見ている。欧州債務問題は長期間にわたりくすぶるもので、「こ れまでやや楽観に振れ過ぎていた。再び欧州に意識が向かう可能性があ る」と、懸念をにじませた。

第2週のTOPIXは、前週末に比べ1.6%安の942.4と14週ぶりに 反落した。前半は、各国要人の発言を受け乱高下した為替動向に歩調を 合わせ、先物主導で日本株も荒い値動き。ただ週末に、実体経済の低調 を受けた欧州での利下げ観測、日本銀行の総裁人事をめぐる観測から円 高方向に振れたことで、株価指数も安くなった。

24日から25日にかけ、イタリアで議会選挙が実施される。世論調査 の動向次第では、同国の債務不安が再燃する可能性がある。中道左派の 民主党が支持率でリードする一方、ベルルスコーニ前首相が率いる中道 右派の自由国民党が急速に支持を伸ばしている。ベルルスコーニ氏は、 付加価値税の引き上げ凍結や住宅購入税の撤廃などを掲げており、同党 が議席を多く獲得すると、緊縮財政路線の頓挫が懸念される。

欧州景気さえず、日銀人事にも神経質

欧州では景気底入れの兆しが見えず、経済指標の内容で円高・ユー ロ安に振れるリスクも内包している。欧州連合(EU)の2012年10-12 月期の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.6%減と、リーマン・ブ ラザーズ破綻後の09年1-3月期以来、最悪となった。第3週には、20 日に2月のユーロ圏消費者信頼感指数、21日にユーロ圏総合景気指数の 発表などがある。

しんきんアセットマネジメント投信の山下智巳ファンドマネジャー は、日本株の上昇トレンドはしばらく続くとみているが、「怖いのは欧 州。スペインやイタリアからはネガティブサプライズが警戒される」と 話した。

引き続き、為替動向も日本株の方向性を左右する公算が大きそう だ。足元は、各国要人の発言を受け円相場が乱高下するケースが目立っ ている。14日にはロシアのシルアノフ財務相が20カ国・地域(G20)財 務相・中央銀行総裁会議の共同声明に関連し、従来よりも具体的な文言 で為替相場への介入に反対する立場を示すべきだと表明、為替市場で円 高の動きが強まる一因になった。

また、日銀の次期総裁人事に関するニュースフローも為替推移に影 響を与える可能性がある。ロイター通信は15日、政府が最終調整してい る総裁人事は、元財務事務次官の武藤敏郎・大和総研理事長を中心に一 段と絞りこみが進んでいるとみられる、と報じた。米紙ウォール・スト リート・ジャーナルは、安倍晋三首相は日銀の総裁人事について数日中 に最終的な決定を下す可能性がある、と米国時間14日に伝えている。

米統計堅調は下支え要因に

ヘッジファンドなど投機筋の売買を表すとされるシカゴ・マーカン タイル取引所の通貨先物市場でのデータで、非商業部門の円の売り持ち 高は引き続き高水準、反転するリスクを抱えている。ITCインベスト メント・パートナーズの山田拓也シニアポートフォリオマネジャーは、 「急激な円高のリスクは小さいが、少なくとも円安基調を後押しする材 料はなくなっている」との見方だ。

一方、米国では経済統計の実際の数値とエコノミスト予想との差異 を示すシティグループ経済サプライズ指数が足元で上昇するなど、米経 済の情勢は改善基調を見せている。第3週は19日にNAHB住宅市場指 数、20日に住宅着工件数、21日に中古住宅販売件数とフィラデルフィア 連銀景況指数の発表が予定されている。

大和証券投資戦略部・情報課の高橋卓也副部長は、「米国の経済指 標はポジティブな内容になる可能性が高い」と予想。3月1日に予定さ れている歳出の自動削減の問題も大きく悲観する必要はなく、「米経済 に対してはファンダメンタルズを見ながら、強気な見方が強まるだろ う」と読む。

このほか、投資材料となりそうなスケジュールでは、物価目標導入 を決定した日本銀行の1月金融政策決定会合の議事要旨が19日に公表予 定。20日には、ソニーがニューヨークでゲーム事業に関する発表会を開 く。ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、マイケル・パク ター氏はソニーがこのイベントで「『プレイステーション4』を発表す る」と予想している。

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