日本株下落、円高とG20警戒し輸出、金融売り-日銀人事思惑

東京株式相場は下落。為替の円高進 行や20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の内容への警戒か ら、リスク回避の売りが優勢となった。自動車など輸出関連、非鉄金属 など素材関連、銀行など金融株を中心に幅広い業種が安い。

TOPIXの終値は前日比12.47ポイント(1.3%)安の942.41、日 経平均株価は133円45銭(1.2%)安の1万1173円83銭。日本銀行の次期 総裁人事をめぐる一部報道に反応し、円高基調が強まった午後に両指数 とも下げ幅を広げる場面が見られた。TOPIXの週間の連続上昇記録 は、13週で途切れた。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、目先の好 材料を織り込む形で「買い尽くされた感がある」と指摘。きょう、あす の日程で開かれるG20会議のほか、日銀総裁人事をめぐる「不透明感が 売りの口実にされた」と見ていた。週末要因のポジション調整も影響 し、「ノイズが大きく、ファンダメンタルズを重視する投資家にはやり にくい相場だ」としている。

欧州連合(EU)統計局が14日に発表した2012年10-12月(第4四 半期)の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%減少と、リーマ ン・ブラザーズ破綻後の09年1-3月(第1四半期)以来、最悪となっ た。エコノミスト予想の中央値は0.4%減。経済規模で域内上位3カ国 であるドイツとフランス、イタリアの生産縮小が響いた。

欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測も浮上し、前日の海外為 替市場でユーロが下落。東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラ テジストは、「欧州経済は足元で製造業景況感など底入れ感もあるが、 ユーロ圏GDPの3四半期連続マイナス成長を受けユーロが弱含んでい ることは嫌気される」と話していた。

武藤氏中心に絞り込みの報道

ロイター通信はきょう正午すぎ、政府が最終調整している次期日銀 総裁人事に関し、元財務事務次官で、元副総裁でもある武藤敏郎・大和 総研理事長を中心に一段と絞り込みが進んでいるとみられる、と複数の 関係筋の話を基に伝えた。岡三証券の塩川克史投資戦略部長は、次期日 銀総裁が仮に武藤氏に決まれば、「期待されていたほど大胆な追加金融 緩和策は打たれないとの見方から、円高・株安の動きにつながった」と 受け止めていた。

為替市場では、正午すぎから円高方向への動きが強まり、一時1ド ル=92円25銭、1ユーロ=123円20銭を付けた。午前は93円10銭台、124 円30銭台の場面もあった。円高進行に呼応する形で、先物主導で日経平 均も一時242円安まで下げ幅を広げた。

武藤氏をめぐっては、みんなの党の渡辺喜美代表が14日、国会内で ブルームバーグの取材に対し、財務省出身者の起用には反対する考えを 示している。みんなの党は、与野党のねじれが続く参院で会派12人を擁 し、野党内では民主党に続く勢力。

3大銀下げ、玉石混交の調整も

東証1部33業種では銀行、パルプ・紙、海運、非鉄、証券・商品先 物取引、建設、輸送用機器、電機、機械など32業種が下落。売買代金上 位ではトヨタ自動車、ソニー、ホンダ、東芝など時価総額上位の輸出関 連株のほか、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャ ル・グループ、三井住友フィナンシャルグループの3大金融グループが そろって安い。12年12月期営業利益が前の期比15%減となったトレンド マイクロは急落した。

岡三証の塩川氏によれば、これまで目立った押し目もなく、玉石混 交で約2カ月間上げてきたため、「市場のゆがみを突くヘッジファンド にとっては、絶好の刈取り場」と言う。玉石混交の調整を示唆するよう に、この日のTOPIXニューインデックスではスモール指数が1.8% 安、東証マザーズ指数は3.4%安と下げが大きかった。

半面、業種では電気・ガスのみが上昇。個別では、今12月期は大幅 増益を見込む昭和シェル石油が急伸し、マツダ、JFEホールディング スも堅調、東北電力も高かった。

東証1部の売買高は概算で45億1480万株、売買代金は2兆3156億 円。騰落銘柄数は下落1414、上昇235だった。

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