自民・山本氏:通貨安競争は問題ない、1ドル=95-100円が適正

自民党の山本幸三元経済産業副大臣 は、各国が金融緩和による通貨安競争を展開することは世界経済全体の 成長に資するもので、まったく問題ないとの認識を明らかにした。ドル 円相場については1ドル=95円から100円程度が適正水準との見方も示 した。14日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

山本氏は自民党に設置されている日本経済再生本部の事務局長。同 氏の発言を受けて一時、円が売られた。同氏は15日、自らの発言は「個 人的な見解」と強調した。

山本氏はインタビューで、ドイツなど一部の国から安倍晋三政権が 日本銀行に大胆な金融緩和を求めたことを受けて進行した円安への懸念 が出ていることについて「難癖にすぎない。日本がやりすぎだというな ら自分のところもやればいい。変動相場制というのはそういうものだ」 と批判した。

金融緩和を進めることによる通貨安競争は「全然問題ない」と指 摘。その理由としてコロンビア大学のジェフリー・サックス教授や内閣 官房参与の浜田宏一エール大学名誉教授らの研究によって「理論的にも 経済全体の安定に資する、成長に資するという結果が出ている」と強調 した。

次の日銀総裁候補の1人として取り沙汰される岩田一政前副総裁が 1ドル90円から100円程度までは均衡への回帰との認識を示しているこ とについては「それぐらいがちょうどいい。95円から100円ぐらいの間 だと思う」と述べた。

浜田氏

首相の金融政策ブレーンである浜田氏は1月に発行した著書「アメ リカは日本経済の復活を知っている」(講談社)で「平価切り下げ競争 を行うことによって、各国とも望ましい価格上昇率の状態を達成でき る」と指摘。日本が「金融緩和や円高防止政策をデフレと不況脱却のた めに用いれば、それが世界経済の活気付けに役立つことはあっても、国 際金融体制を破たんさせる心配はまったくない」と断言している。

山本氏は政界では金融緩和派の代表的存在で、みんなの党の渡辺喜 美代表らとともに日銀法改正の必要性を唱えてきた。2011年の東日本大 震災直後に結成され、安倍首相が会長だった「増税によらない復興財源 を求める会」の幹事長を務めた。復興増税が決まった後も、首相と金融 政策に関する勉強会を続けてきた。

日銀が14日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めたことにつ いては「責任を持ってやる気がまったくみられない。面従腹背で、腹で は反旗を翻している」と批判。今後の対応については「ちゃんとするに は日銀法改正しかないという気をいよいよ強くしている」と述べた。

物価安定目標2%に向けた日銀の取り組みについては「2%の数字 はあるが日銀が責任を持ってやるというコミットメントもないし、達成 期限もはっきりしてないので中途半端、本物になっていない」と指摘し た。