債券上昇、次期日銀総裁に武藤氏有力との見方-米債高、円高・株安も

債券相場は上昇。前日の米国債高や 円相場の反発、国内株安を背景に買いが優勢だった。日本銀行の次期総 裁に国債管理政策にも長けている武藤敏郎前副総裁(元財務事務次官) が有力との観測が浮上したことも買いに拍車が掛かった。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比16銭高の144円20銭で始 まり、直後に144円19銭まで伸び悩んだが、午前10時すぎに144円32銭に 上昇。午後に入ると上げ幅を拡大し、1時半前後には144円37銭を付け た。その後は株価の下げ渋りを背景に上げ幅を縮め、結局は19銭高 の144円23銭で引けた。

三井住友アセットマネジメントの債券運用グループの永見哲シニア ファンドマネジャーは、債券相場では「米債利回りの低下や次期総裁に 武藤氏が有力との観測が支援材料となっている」と指摘。円安・株高の 大きな流れは転換していないが、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀 行総裁会議を前に、円安も一服していると説明した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同1.5ベーシスポイント(bp)低い0.75%で開始。午前は0.745 -0.75%で推移したが、午後1時半ごろに0.74%に低下。3時すぎから 再び0.745-0.75%。5年物の107回債利回りは1bp低い0.135%と、2 日ぶりに過去最低に並んだ。2時半すぎからは0.14%で推移した。

超長期債も堅調。20年物の141回債利回りは1.5bp低い1.74%と1 月24日以来の低水準で開始。9時すぎに0.5bp高い1.75%に下げ幅を縮 めたが、午後1時すぎには再び1.74%に下げた。30年物の37回債利回り も0.5bp低い1.945%で始まり、その後も徐々に水準を切り下げ、午後3 時半ごろには1.93%と、昨年12月25日以来の低水準を付けた。

政府が最終調整している次期日銀総裁人事は、武藤氏を中心に一段 と絞り込みが進んでいるとみられる、とロイターが報じた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、米金利低下に加え、円債市場にフレンドリーな印象の武藤氏中心に 絞り込みという報道で「買いが加速している」と説明。東短リサーチの 加藤出チーフエコノミストはレポートで、次期総裁には武藤氏、黒田東 彦アジア開発銀行(ADB)総裁(元財務官)、岩田一政前副総裁(元 内閣府経済社会総合研究所長)の順に可能性が高いとの見方を示した。

14日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比3bp低下 の2.0%程度。米30年債の入札(発行額160億ドル)では、投資家からの 需要が過去10回の平均値を上回るなど順調だった。

円相場は15日に対ドルで一時92円25銭と1週間ぶり、ユーロに対し ても123円20銭と先月31日以来の水準に上昇。日経平均株価は前日比133 円45銭(1.2%)安の1万1173円83銭。

--取材協力:池田祐美、船曳三郎. Editors: 山中英典, 青木 勝

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