PS後継機でソニー神話復活なるか-「時代遅れ」の声も

据え置き型ゲーム機「プレイステー ション(PS)」は初代モデル発売からの約20年間、ソニーの技術力を 象徴してきた。累計販売が約4億台と、携帯音楽プレーヤー「ウォーク マン」と肩を並べるこの大型商品の後継機種が20日、米国でのゲーム事 業戦略説明会でベールを脱ぐと予想されている。

スーパーコンピューター並みの処理能力を持つ現行機種のPS3発 売から6年余り。専用機だけでなくスマートフォン(多機能携帯電話、 スマホ)やタブレット端末でゲームを楽しむ利用者が急速に増える中、 新たな潮流を捉えた商品を出せるのか、市場関係者は注目している。

平井一夫ソニー社長はゲーム事業再建の手腕を買われ、昨年4月に 現職に就いた。娯楽コンテンツを提供する上で据え置き型ゲーム機は、 携帯電話やテレビ、タブレット端末といった家庭内のソニー製品をつな ぐ中心的な存在だと主張してきた。

家電の低価格化が進む中、こうした戦略を疑問視する向きもある。 米ウェドブッシュ証券アナリストのマイケル・パクター氏は「ソニーは 市場環境が20年前と違うと認めたがっていない」と指摘。「時代を逆戻 りさせられると絶望的なまでに信じ込んでいる」と述べている。

主力のテレビ事業で前期(2012年3月期)まで8期連続の赤字を計 上し、不動産売却益などを頼りに今期で5年ぶりの純利益を確保しよう とするソニーには、ゲーム事業での誤算は許されない。平井氏が昨年4 月に発表した経営方針では、デジタルカメラやイメージセンサーなど画 像関連、ゲーム、携帯端末の3事業で、15年3月期にエレクトロニクス 部門の売り上げの70%、営業利益の85%を確保する計画だ。

アップルのような力

BNPパリバの山科拓アナリストはPS後継機について、米アップ ルのように消費者を驚かせる商品を作り出す力がソニーに残っているか を占う意味で注目されると述べている。アップルはスマホやタブレット 端末向けに安価なゲームを配信し、支持を増やしてきた。

しかし、PS3と同時期に据え置き機「Wii(ウィー)」を投入 しリードした任天堂は、昨年11月発売の後継機「Wii U」では年明 けから苦戦。1月末に「U」の今期販売予想を150万台減らして400万台 とし、営業損益予想も2年連続の赤字へと下方修正している。

ゲームソフト大手である米エレクトロニック・アーツ(EA)幹部 のニック・アール氏は、最先端のゲームを楽しむには据え置き機が依然 として最良のハードだと語る。しかし、将来的にはスマホやタブレット 向けが大きく伸びることを認めている。

ソフト制作会社カプコンの辻本春弘社長も6日のブルームバーグと のインタビューで、携帯向け交流ゲームには「爆発的な要素がある」と して、開発を加速させる意向を示していた。