ECB:ユーロ高がインフレ率押し下げるリスクある-月報

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ 高がインフレ率を押し下げるリスクがあるとの認識を示した。ユーロが 一段と上昇すれば利下げもあり得ることを示唆した。

ECBは14日公表した月報で、「物価見通しへのリスクは引き続 き、中期的におおむね均衡しているとみられるものの、経済活動の弱ま りと、最近に関してはユーロ相場の上昇」による下振れリスクがあると 分析した。月報は7日の政策決定後の総裁会見内容を踏襲した。

ソブリン債危機のために昨年リセッション(景気後退)入りしたユ ーロ圏経済には安定化の兆しが見られるものの、ユーロ高が輸出の足か せとなり回復の芽を摘む恐れがある。通貨高はインフレ率を過度に押し 下げるリスクもある。

ドラギ総裁は先週の会見で、当局がユーロ上昇を懸念していること を示唆し、「為替相場は政策の目標ではないものの、成長と物価安定に とって重要だ」と述べていた。

ECBはこの日、ユーロが貿易相手国20通貨に対して今年1月 に3.3%上昇したと指摘した。対円では11.3%上昇したという。

ECBは経済予測専門家を対象に実施した四半期調査の結果も発表 した。それによると、インフレ率は2013、14両年とも1.8%と予想さ れ、従来の1.9%から下方修正された。成長率予想は今年がゼロ、来年 がプラス1.1%と、それぞれプラス0.3%とプラス1.3%から下方修正さ れた。

ECBの現在のインフレ率予想は今年が1.6%、来年が1.4%。同中 銀は2%弱を目指している。成長率予想は今年がマイナス0.3%、来年 がプラス1.2%。ECBは来月、最新の予測を発表する。

月報では「2013年の早い時期はユーロ圏景気の弱さが続くだろう」 とした上で、「経済活動はその後年内に、当中銀の緩和的な金融政策姿 勢と金融市場の信頼感回復、市場分断化の解消、世界的な需要の改善に よって、徐々に回復するだろう」と予想した。

原題:ECB Says Euro Appreciation Risks Pushing Inflation Lower (1)(抜粋)