日銀総裁:後任は謙虚さや国際性必要-金融政策は国内経済が目的

日本銀行の白川方明総裁は14日午 後、定例会見で、3月に退任する自身の後任人事について「バランスの 取れた人が望ましい」とした上で、謙虚さや国際性など3つの資質が必 要だと述べた。また、先の主要7カ国(G7)声明に関連し、金融政策 が為替相場に「相応の影響を与えているのは事実」としながらも、それ が目的でなく、あくまで「国内経済の安定」が目的だと強調した。

白川総裁は次期総裁人事について聞かれ、「総裁、副総裁は国会の 両院の同意を得て内閣が任命するので、私が具体的にコメントするのは 不適当だ」とした上で、一般論として述べた。まず、「中央銀行の総 裁、副総裁、あるいは審議委員として、ふさわしい人がなるべきだ」と 表明。「私自身、総裁ということを特に意識した場合、さまざまな意味 でバランスの取れた方が望ましいと思っている」と語った。

具体的には、まず「中央銀行の幅広い仕事について十分な理解と知 識を備えている必要がある」と指摘。「中央銀行の仕事は金融政策だけ でなくて金融システムの安定、決済システムの運行、国際金融も重要で あり、さらにその背後には中央銀行の実務が存在する」と述べた。

次に「立場や意見の異なる人の意見に耳を傾ける謙虚さが必要だ。 中央銀行は不確実性に満ちた現実の経済の中で多くの人の生活に影響を 与える決定をしなければならない。それだけに謙虚さが重要だ」と言 明。最後に「リーマンショック後の経験が示すように、常にグローバル な視点を意識しながら中央銀行の仕事について判断し、行動する必要性 がますます高まっている」と語った。

為替に影響与えているのも事実

主要7か国(G7)の財務相・中央銀行総裁は12日、声明を発表。 当初、最近の円安容認を示唆したと受け止められ円が売られた。だが、 G7当局者の1人が声明はG7が過度の円の動きと、円相場を誘導する 日本の行為を懸念していると説明。この発言を受け円が大幅反発した。

白川総裁はG7声明について「日銀に限らずどの国もそうだと思う が、金融政策は自国の経済の安定を目的としてこれまでも運営してきて いるし、今後の運営の理念としても、そうであるべきだというのが今回 のG7の意味するところだ」と述べた。

その上で「金融市場がグローバル化しているので、それぞれの国の 金融政策が為替レートにも相応の影響を与えているのは事実だが、為替 相場に影響を与えることを目的としているわけではなく、あくまでも日 本の場合、デフレから早期に脱却し、物価安定の下での持続的成長を実 現するという国内経済の安定に照準を当てた政策だ」と語った。

日銀による外債購入の是非については「具体的な政策についてコメ ントしない」と述べるにとどめた。

緩和見送ったという意識は全くない

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、政策運営方針の現状維持を 決定した。物価目標の2%に達していないにもかかわらず、なぜ追加緩 和を見送ったのか、という質問に対し、白川総裁は「私どもとしては金 融緩和を見送ったという意識は全くなくて、手綱を緩めることなく強力 な金融緩和を推進しているというのが結論だ」と述べた。

その上で、内外経済の動向について「海外経済は米国や中国を中心 に持ち直しの動きが見られ、最近の為替相場の動きも次第にわが国の輸 出を下支えしていくと考えられる。内需も全体として底堅さを維持する とみられる」と指摘。「こうした下で、わが国経済は年央ごろにかけて 緩やかな回復経路に復していくと予想しており、足元おおむねゼロ%と なっている消費者物価の前年比上昇率は、2014年度中には消費税率引き 上げの影響を除いて1%に達する可能性が開けつつある」と語った。

白川総裁はこのように述べた上で、金融政策運営について「先行き の経済物価見通しとリスク要因を点検しつつ、物価安定の目標の実現を 目指し、必要な政策を実施していく」と述べた。

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