CEO高額報酬めぐりスイスで国民投票へ-企業流出懸念の声

製薬会社ロシュ・ホールディングの セブリン・シュバン氏や食品メーカー、ネスレのポール・バルケ氏らス イス企業の最高経営責任者(CEO)の報酬は世界最高水準だが、そう した状況は間もなく変わる可能性がある。

スイスでは企業幹部が受け取る「高額報酬」の制限を求めて10万人 以上の署名が集まったため、株主が企業幹部の報酬を決定するかどうか をめぐって3月3日に国民投票が実施される見通し。世論調査では有権 者の大半が賛成票を投じる可能性が示唆されているが、業界ロビー団体 は、税収源である企業の国外流出につながるとの懸念を示し、より穏健 な内容の対案を求めてキャンペーンを展開している。

時価総額21億スイス・フラン(約2130億円)のスイスの街路清掃車 メーカー、ブーハー・インダストリーズのフィリップ・モジマンCEO はインタビューで、「幹部報酬にこのような制限を設定すれば、米国企 業が欧州の拠点をスイスに置く理由がなくなる」と指摘。「間違いなく 国外に移転するだろう」と語る。

国民投票を提案したのは、スイスの議員で歯磨き粉事業を手掛ける トリボルのトーマス・ミンダー氏。請願書で「高額報酬」を受け取る企 業幹部には金融危機を引き起こした責任があると主張している。提案が 認められれば、企業幹部の報酬に関して毎年株主投票が行われ、新 CEO就任や退任の際の多額の報酬支払いが阻止される見通しだ。

ブルームバーグが集計したデータによると、欧州のCEOの高額報 酬上位20人のうち少なくとも5人がスイス企業で勤務している。このう ち3人が米国人で、クレディ・スイス・グループのブレイディ・ドゥー ガン氏、医薬品メーカーのノバルティスのジョー・ジメネス氏、配電施 設製造のABBのジョー・ホーガン氏。ロシュのシュバン氏はオースト リア人、ネスレのバルケ氏はベルギー人。

原題:Fat-Cat Pay Makes Swiss So Mad CEO Salaries Facing National Vote(抜粋)

--取材協力:Elena Logutenkova、Zoe Schneeweiss、Naomi Kresge.