日銀:政策維持を決定、宮尾氏が2%見通せるまでゼロ金利継続を提案

日本銀行は14日開いた金融政策決定 会合で現状維持を決定した。宮尾龍蔵審議委員は実質的なゼロ金利政策 について、2%の物価目標の実現が見通せるようになるまで継続すると の議案を提出したが、8対1の反対多数で否決された。

日銀は当面、既に表明している資産買い入れを着実に進め、その効 果を見極める構えだ。月内にも提示される白川方明総裁の後任人事を控 え、新体制が本格始動する4月以降の政策運営に関心が高まっている。

政策金利は0-0.1%に維持。年内の資産買い入れ等基金における 金融資産購入を76兆円、固定金利方式の共通担保オペを25兆円の計 「101兆円」に据え置いた。2014年初から開始する期限を定めない毎月 一定額の金融資産買い入れについては、長期国債2兆円を含む13兆円に 据え置いた。いずれも全員一致で決定した。

ブルームバーグ・ニュースが日銀ウオッチャー13人を対象に行った 事前調査では全員が現状維持を予想していた。

日銀は1月22日の決定会合で、消費者物価指数(CPI)の前年比 上昇率で2%の物価目標を明示するとともに、期限を定めない金融資産 の買い入れ方式を導入した。石田浩二審議委員は昨年12月会合で日銀当 座預金の超過準備に適用される0.1%の付利の撤廃を提案したが、反対 多数で否決。今会合では1月会合に続き提案を見送った。

白川方明総裁は5日夜、4月8日の任期満了を待たず、副総裁2人 の任期満了に合わせ3月19日に辞任する意向を安倍晋三首相に伝えた。 この結果、4月3、4両日の決定会合は新しい正副総裁の下で迎えるこ とになる。

2%達成は日銀だけで可能か

総裁の有力候補の1人とされる黒田東彦アジア開発銀行(ADB) 総裁は11日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、日銀の物価 見通しが2%の目標に達していないことから、「年内に追加緩和に踏み 切ることは正当化できるだろう」と言明。目標達成の期限は「2年とい うのがグローバルスタンダードだ」とした上で、「日銀は目標を達成す るための手段をたくさん持っている」と述べた。

佐藤健裕審議委員は6日、前橋市で会見し、物価目標の実現につい て「今のうちから不可能であると決めつけることは不適切」としながら も、「日銀だけの努力では達成不可能な数字であり、幅広い主体による 極めて強い努力が必要だ」と述べた。同委員は木内登英審議委員ととも に、1月会合で2%の物価目標の明示に反対票を投じた。

主要7か国(G7)の財務相・中央銀行総裁は12日、声明を出し、 「われわれの財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目 的を達成することに向けられてきていること、今後もそうしていくこ と、そしてわれわれは為替レートを目標にはしないことを再確認する」 と表明した。

G7声明で金融政策に制約も

G7声明は当初、最近の円安を共同で容認すること示唆したと受け 止められ円が売られた。だが、G7当局者の1人が、声明はG7が過度 の円の動きと、円相場を誘導する日本の行為を懸念していると説明。こ の発言を受けて円が大幅反発した。エコノミストの間では、同声明によ って日銀の金融政策が制約される恐れがあるとの指摘が出ている。

バークレイズ証券の森田長太郎チーフストラテジストは13日のリポ ートで「露骨に為替誘導に資するような形での金融緩和は行いにくくな る可能性はある」と指摘。「量的緩和策として長期国債を購入すること までは、米国も行っていることであり、容認はされるだろう」としなが らも、「今回の声明はある程度、日銀の先行きの政策決定に影響を及ぼ して行く可能性はある」としている。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストも同日のリポ ートで「日本政府は官民外債購入ファンドの創設や日銀による外債直接 購入を断念せざるを得ない」と指摘。「今回のG7声明を受けて、日銀 の量的緩和拡大にも一定の足かせが生じると考えた方が良いだろう。そ の意味において、次期日銀総裁の金融政策運営の自由度もそれなりに制 約されるとみておくべきだ」としている。

有力な総裁候補と目されている岩田一政前副総裁(日本経済研究セ ンター理事長)は日銀よる外債購入を提唱している1人。昨年1月26日 のブルームバーグのインタビューで、為替相場安定には日銀が50兆円規 模の基金を創設し、外債を購入することが有効だと述べた。

白川方明総裁が午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は3 月12日に公表される。金融政策決定会合や金融経済月報などの予定は日 銀がウェブサイトで公表している。