米大統領:最低賃金引き上げを提案-財政で議会に行動促す

オバマ米大統領は、12日夜の一般教 書演説で、最低賃金を時給9ドル(約840円)に引き上げるよう提案す るとともに、議会が行動しない場合は気候変動から製造業に至る多様な 課題で大統領令を行使する考えを示した。断固たる姿勢で2期目の政策 課題を打ち出しており、共和党の反発は必至だ。

再選後初の一般教書演説でオバマ大統領は欧州連合(EU)との新 たな通商協定交渉や、500億ドルの「緊急」インフラプロジェクトを提 案した。また、米アップルやフォード・モーターなど民間企業が雇用の 国内回帰に取り組んでいることを称賛した。

オバマ大統領は、「政府が少数ではなく多くの人のために機能する よう確実にすることがわれわれのやり残した課題だ。すなわち、自由企 業を促進し、個人の創意に報い、米国の全ての子供に機会の門戸を開く ことだ」と説明した。

大統領はまた、移民と銃規制に関する自身の案を推進すると明言し た。

時給9ドル

最低賃金引き上げはオバマ政権の主導では初めて。2009年の引き上 げはブッシュ大統領が署名した07年の法律に基づくものだった。オバマ 大統領案は最低賃金を15年末までに現行の時給7.25ドルから9ドルに上 げるとしており、ホワイトハウスによると、インフレ調整後の賃金水準 で1981年以来の高水準となる。

一般教書演説からはオバマ大統領が再選の勢いを借りて、共和党が 過半数を握る下院で、自身の課題に関して採決の日程を組むよう迫る姿 勢が示されている。また大統領令によって優先事項を推し進められるか 限界を試そうとする決意も明確になった。

大統領は自身の提案について、ほんのわずかでも財政赤字増加につ ながるものではないと強調。共和党に対し、10年間で1兆5000億ドルの 追加赤字削減を目指す「均衡の取れた」戦略の一環として、歳出カット とともに税収増を受け入れるようあらためて呼び掛けた。

共和党はオバマ大統領の提案を拒否。マルコ・ルビオ上院議員(フ ロリダ州)は、富裕層増税が成長を鈍化させ、最終的には全国民の経済 状態を悪化させると指摘。同議員は一般教書への共和党の反論の中で、 「大統領案の増税と財政支出は中間層の家庭に打撃を与える」と述べ、 「賃上げや給付金が犠牲になるだろう。職を失う者も出る可能性があ る」と警告した。

一般教書演説は予算と税制、歳出に多くの時間が割かれたが、最も 異論が多い移民問題や銃規制にも言及。アフガニスタン駐留米軍の約半 数の3万4000人前後を1年以内に撤収させるとした。

外交問題では、米国や諸外国が協力して、イランへの核拡散を防止 するために「必要なことを行う」と言明。核実験など北朝鮮の挑発的な 行動は「同国の孤立が一段と深まるだけだ」と指摘した。

原題:Obama Seeks Minimum Wage Boost to Bolster Economy in Speech (1)(抜粋)

--取材協力:John Hechinger.

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