日本株は反落、G7温度差で為替変調を警戒-輸出や素材安い

東京株式相場は反落。主要7カ国 (G7)間での円相場の現状認識に温度差があり、今後の円安トレンド の変調を懸念する売りで電機や輸送用機器、ゴム製品など輸出関連株、 鉄鋼や非鉄金属といった素材関連株が下げた。海運株も安い。

TOPIXの終値は前日比11.48ポイント(1.2%)安の957.02、日 経平均株価は117円71銭(1%)安の1万1251円41銭。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・イ ンベストメントマネジャーは、「昨年11月中旬から約2カ月間にわたっ てほぼ一本調子で上げてきたので、いつ調整局面を迎えてもおかしくな い」と指摘した。週末にかけ注目イベントを控える中、先行き不透明感 から「為替も方向感を失いつつある。上昇ドライバーとなってきた円安 が止まり、格好の利食いタイミングに入った」と言う。

G7は日本時間12日夜、経済政策を為替相場の誘導のために利用し ない、との声明を発表。世界的な通貨戦争に対する懸念の払拭を図っ た。声明については当初、最近の円安を共同で容認すること示唆したと 受け止められ、円が下落。声明後に麻生太郎財務相は財務省内で記者団 に、日本のデフレ不況対策が為替操作に使われていないと「各国から正 式に正しく認識された」と述べた。

声明解釈さまざま、午後下げ拡大

しかし、その後各国間で声明への解釈が入り交じり、英国は、G7 は特定の国や為替相場をやり玉に挙げていないと説明。これに対しG7 当局者の1人は、円の過度の動きに懸念があると述べた。こうした混乱 を背景に、日本時間13日午後の為替市場では一時1ドル=92円80銭台、 1ユーロ=124円70銭台と12日の東京株式市場終了時の93円97銭、125 円76銭前後から円高方向に振れた。

円高推移がやや鮮明になった午後に、日経平均は先物主導で一 時172円安まで下げ幅を拡大。東証1部33業種は29業種が下げ、海運、 証券・商品先物取引、鉄鋼、非鉄、電気・ガス、ゴム、水産・農林、電 機、倉庫・運輸、建設などが下落率上位に並んだ。売買代金上位ではマ ツダ、みずほフィナンシャルグループ、トヨタ自動車、野村ホールディ ングス、ソニー、三菱UFJフィナンシャル・グループ、新日鉄住金が 下げ、2013年6月期の業績予想を下方修正したグリー、昨年10-12月期 の営業利益数値が想定より弱いとクレディ・スイス証券に指摘されたダ イキン工業は急落した。

もっとも、東洋証券の土田祐也ストラテジストは「これまで金融緩 和政策を急速に推し進めてきた欧米が、日本の金融緩和を表立って批判 することはできないだろう。為替も過度な円高の修正段階に過ぎない」 と見ている。週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に 関しても、「過度に懸念する必要はない」とした。

G20前に様子見ムードも

今週は、15-16日にG20財務相・中央銀行総裁会議がモスクワで開 かれるほか、国内でも13-14日に日本銀行の金融政策決定会合、14日に 昨年10-12月期の国内総生産(GDP)発表などを控え、投資家の間で いったん様子見ムードが出やすい局面でもあった。

業種別ではパルプ・紙、鉱業、保険、食料品の4業種が上昇。個別 ではアイフル、オリエントコーポレーション、全国保証、NTTが上 げ、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」に上げた第一生 命保険も高い。今期営業利益見通しを増額したTHKは急騰。

東証1部の売買高は概算で38億1280万株、売買代金は2兆1522億 円。売買高は7営業日ぶりに40億株を下回った。騰落銘柄数は下 落1418、上昇225だった。