ホンダ:印で20年に二輪車販売4倍、1000万台へ-シェア首位に

自動二輪車メーカーのホンダはイン ドで、2020年までに二輪車販売を現在の約4倍の1000万台、市場占有率 でトップを目指す。併せて1年後には新たな生産能力拡大に向けた投資 を検討する。

ホンダ二輪事業本部長の大山龍寛専務は12日のインタビューで「イ ンド市場でナンバー1をとりたい。そのためにはシェアの3分の1をと らなければ」と述べ、シェア拡大に向け販売ネットワーク構築や商品ラ インアップ・生産能力の拡充に取り組んでいると語った。20年の現地の 二輪車総需要を3000万台と見込んでいる。

現地生産能力について大山専務は、今年4月の第3工場稼働開始で 年400万台となるのに加え、需要に応じてさらに60万台の能力を同工場 で増やす用意があると述べた。それでも「再来期くらいには能力はいっ ぱいになる」とみており、「1年から1年半後には次の投資をジャッジ しないと間に合わない」と述べ、販売増加に伴い投資を加速させる方針 を示した。

コンサルティング会社、アーンスト・アンド・ヤングで自動車事業 を専門とするラケシュ・バトラ氏は「20年のインド市場規模は3300万 -3500万台になるとみており、ホンダの見通しは保守的」と指摘しなが らも、ホンダは「技術力やディーラー網の拡充などでシェア30%は確保 するだろう」との見通しを示した。

ホンダは84年に現地のヒーロー・モトコープと二輪車製造・販売の 合弁会社を設立、10年の販売は652万台で市場シェア58%を占めた。し かし、10年12月にヒーローとの提携解消を発表、11年の販売は175万台 (シェア13.7%)に落ち込んだ。12年は前年比4割増の252万台販売で 市場シェアは18%。シェア1位は提携を解消したヒーローで43%、次い で現地メーカーのバジャジ・オートが18%でホンダと並ぶ。

100ccクラスとスクーターを同時強化

大山専務はシェア拡大に向けた商品戦略について、インド市場で5 割を占める排気量100ccクラスの商品投入と、もともと得意とするス クーターのラインアップ拡充を同時並行で強化する方針を示した。

合弁解消前は、ホンダが都市部でスクーターを中心に、ヒーローは 郡部で排気量の大きいオートバイを中心に展開してすみ分けていた。シ ェア奪回に向け、ホンダは昨年5月、排気量110ccのオートバイ 「Dream Yuga」を発売。大山専務は、今年中に同クラスのもう1車種の 発売を予定していると語った。

大山専務はまた、「市場の伸びでいうと、スクーターが強い」と述 べ、スクーターの商品強化も同時に力を入れていくと語った。ホンダに よると12年のセグメント別市場では、100ccクラスのオートバイが前 年並みだったのに対し、スクーターは前年比20%増、125ccクラスが 同30%増となっている。大山専務は、各セグメントでナンバー1を目指 しており、それぞれ市場の伸び以上の販売拡大を狙いたいと語った。

課題は販売網と人材確保

シェア拡大に際して課題となるのは販売網の拡充だ。ホンダの販売 店は都市部を中心に現在1653店舗あり、これを郡部にも拡大する計画。 大山専務は、郡部で販売ネットワークを築くには、まず郡部向けのライ ンアップが必要と述べ、販売網拡大は商品開発・投入と同時並行の作業 であると語った。

同時に、販売力強化のために、サービス拡充やエンジニア教育の必 要もあり、人材確保と育成は「商品開発以上に時間がかかる」という認 識を示した。ホンダが商品力と収益力を高めて、二輪車販売を魅力ある ビジネスにすることで、販売店への加盟を希望する人も増えてきてお り、大山専務は「郡部のネットワークをぐんぐん強化していく方向に動 いている」と述べた。

エンジェル・ブローキングのムンバイ在勤のアナリスト、ヤレシ ュ・コタリ氏は、ホンダには「ヒーローやバジャジと対抗できる販売ネ ットワークを築くという大きな課題がある」と指摘した上で、生産能力 を拡張したとしても、販売網の面からホンダがナンバー1になるのは難 しいと述べた。

来期販売は100万台を上乗せ

大山専務は、来期(14年3月期)のインド販売は今期(13年3月 期)から100万台上乗せを見込んでいると明らかにした。今期のインド 販売目標は前期比30%増の275万台。来期の現地市場の総需要について は、インド自動車工業会が発表した前年比5%増(約1440万台見込み) より「伸びると思う」と述べた。

市場拡大の背景として大山専務は、コスト増として懸念されている 労働賃金上昇が「実は二輪事業には追い風」との見方を示した。労働者 は二輪車の主な購買層であり、四輪車の需要が落ちても二輪車需要が伸 びるのは、労働賃金上昇で購買力が上がっているためと分析。今後、二 輪車市場は「われわれの想定以上に加速する可能性がある」と述べた。

一方、ホンダの最大市場であるインドネシアで、金融規制が強化さ れている影響について大山専務は、需要が旺盛であることから「一時的 な影響はあるものの、来期通年でみたときには販売は伸びていく」とい う見方を示した。

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